ワシントンポスト紙に情報を寄せたアメリカ合衆国関係者は、モスクワ―ダマスカス間を飛行中にアンカラへ強制着陸したシリアの旅客機に軍用兵器が搭載されていたという情報が、CIAから流されたと説明した。
シリア国境付近で影響を増している危機は、トルコとアメリカ間の情報共有と軍事会議の増加をもたらした。アメリカ随一のワシントンポスト紙は、アンカラ とワシントンの間でのこの二つの分野における共有がここ最近顕著に増加していると伝えた。ホワイトハウスの情報に基づいた記事では、この接近の理由は「シリア国内の紛争が地域的な戦争に転化する可能性」によるものであると伝えられた。
このような密接な連絡の取り合いにも関わらず、今日までトルコ―シリア国境での飛行禁止領域は制定されていない。しかしやはりホワイトハウスの情報筋によると、アメリカ軍とトルコ軍は、緊急事態により飛行禁止領域を制定する場合、どのような作戦を決行するかを協議している段階である。この協調は、同時にシリアが保有している可能性がある化学・生物兵器の倉庫制圧を目的とする「緊急事態計画」も包含している。
ワシントンポスト紙はさらに、10月10日にトルコのエセンボア空港に強制着陸したシリア旅客機に、軍兵器が搭載されていたとする情報もアメリカから出されたものだと伝えた。
同紙は匿名のアメリカ合衆国関係者が寄せた情報を、この主張の根拠としている。
■エルドアン首相「ご想像にお任せします」
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、情報の出処に関する質問に、「情報がどこから出たかはお答えすることができません。ご想像にお任せします」と返答した。
■暗闇では何でも有り得る
一方、外務省アフメト・ダヴトオール大臣は、シリアへ行なった「暫定政府をつくるように」との呼びかけを、ザ・ガーディアン紙の中で再び行なった。イギリスの有名紙に掲載された記事によれば、ダヴトオール大臣はアサド体制がもはや「まともな話し相手」ではないと強調し、「シリアで早急に暫定政府をつくり、シリア国民にトンネルの先にある光を見せなければならない。四方が真っ暗闇の中では、誰もが何でも行い得る」と述べた。
ダマスカス政府との対話の試みにリスクを負いながらも取り組んだと述べるダヴトオール大臣は、「シリアの体制を正当化した後に対話をする意味がどこにあるというのか。向こうがその気なら、会話を設ける方法はたくさんある。国連特別代表のラクダル・ブラヒミ氏や、別の方法もある。私たちとの対話に応じ、紛争をやめ、国民の将来を保障するのであれば、我々はいつでも協力するつもりだ」と語った。
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介
されています。)
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( 翻訳者:松永拓人 )
( 記事ID:27964 )