テロ対策に重要な役割を果たす無人偵察機に関して、テロ対策関係者は顔をしかめている。無人偵察機「ヘロン」から十分な情報が得られず、またアンカ・プロジェクト(無人偵察機プロジェクト)の遅延が政府を窮地に立たせている。
イスラエルから2008年に購入した無人偵察機「アエロスター」3機が返品されることが決まった。イスラエルが責任を果たさなかったとして、3機の契約が取り消される。「アエロスター」3機のうち1機は墜落し、2機は技術的問題のために、テロ対策に有効に用いられていない。
国内の防衛管轄内では現在、対テロ対策における情報収集のため「ヘロン」と「アエロスター」、トルコ製の小型無人偵察機が使用されている。トルコ航空宇宙産業(TUSAŞ)が生産する無人偵察機「アンカ」は大量生産が完成するのに2年がかかると言われている。しかしトルコ航空宇宙産業が所有するプロトタイプは、緊急に必要となりトルコのバトマン県で試行運転が行われ、すぐに使用されると伝えられている。
トルコ国内には管制ステーションが1つしかなく、イスラエルから購入した10機の無人偵察機「ヘロン」のうちたった3機が現在使用可能である。イスラエルに新たな無人偵察機を要求したが、両国の関係は2010年のマーヴィ・マルマラ号事件以後悪化していることから、この要求は受け入れられなかった。トルコは、「ヘロン」を購入する以前、2008年にイスラエルから「戦略」部門の3機の無人偵察機を要求した。これらの無人偵察機には150万ドル(約1億2000万円)が支払われた。テロ対策のためバトマン県に配備された無人偵察機「アエロスター」は、上空1万8000フィート(5400メートル)を偵察し、時速100キロで飛行可能である。
無人偵察機「アエロスター」は搭載されたデータリンク装置により200キロ先の管制司令基地へ映像を送ることができる。しかし、現在「アエロスター」からデータを得ることができない状態である。イスラエルから十分な技術的サポートが届いていないと伝えられている。契約の取り消しとイスラエルへの無人偵察機返品後の罰金については、未だ明らかな情報がない。
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( 翻訳者:松永拓人 )
( 記事ID:28053 )