ヴェラーヤティー氏「アメリカとは一切協議していない」
2012年10月29日付 Jam-e Jam 紙


米大統領選が佳境に入る中、イラン・米両政府の話し合いに関する噂が増加中

 我が国の高官らがアメリカとの直接協議に関する一部発言に異議を唱え〔※〕、またアメリカ側も対イラン制裁を強化しているなかで、一部の西洋メディアはイラン・米両当局の話し合いについて、新たな噂を作り出している。こうした噂を、イラン当局は明確に否定しているが、昨日、ある噂で名前の挙がった〔元外相の〕アリー・アクバル・ヴェラーヤティー氏が改めて、自身が米当局と協議したとの報道はまったくの虚偽であると述べた。

※訳注:アフマディーネジャード大統領が9月に国連総会に出席した際、メディアとのインタビュー等で米と直接協議を行う用意があることを複数回にわたって述べたことに対し、米との関係に関する重要な意思決定はハーメネイー最高指導者の専権事項であるとして、大統領の発言を批判する声が国内で相次いだことを指す。

 米大統領選の二候補による討論が佳境に達し、両候補とも対イラン政策を米外交政策の重要課題として集中的に論じていた中、ニューヨーク・タイムズ紙は二週間前、米大統領選後の直接協議開催に向けた初期合意が、イラン・米両当局の間で交わされたと報じた。寝耳に水のこの報道は、数時間後、両当局により否定され、またアリー・アクバル・サーレヒー外相もこの報道について説明する中で、「アメリカとの協議」に関連するような事実など、一切ないと述べた。

 この報道から数日後、米メディアは米国内の右派に近いイラン系アメリカ人の話として、イランの一部の政治関係者がホワイトハウスの関係者らと、第三国で秘密裏に協議を行ったと報じた。また、マアリヴ紙〔※タブロイド版ヘブライ語日刊紙〕も、イラン核問題をめぐる対話のチャンネルを確立するための努力の一環として、アメリカがイランとの国交回復を模索していると報じた。

 この報道の直後、アリー・アクバル・ヴェラーヤティー最高指導者国際問題担当上級顧問、およびホッジャトルエスラーム・ホセイン・ターエブ革命防衛隊情報担当副総司令官がアメリカを訪問したとの噂が飛び交った。

〔…〕

 マアリヴ紙によると、〔イランとの直接協議を〕アメリカが提案したのには、ワシントンおよびテヘランにある両国の利益代表部を拡張し、〔将来的に〕米・イラン両国大使館をそれぞれの首都に設置して、国交の完全回復につなげたいという外交上の思惑があるという。

※訳注:なお、米のイランにおける利益代表部は、在イラン・スイス大使館が、イランの米における利益代表部は、在米パキスタン大使館が、それぞれ担っている。

〔…〕

アメリカとの協議は全くのでたらめ

 イラン当局はこうした報道を、プロパガンダ上のものであって、重要なものではないと指摘している。しかしイラン当局の高官2名の名がこの報道で挙がっていることから、今回アリー・アクバル・ヴェラーヤティー氏はニュースサイト「マシュレグ」とのインタビューで、自身がアメリカ当局と直接協議をしたなどという報道は全くのでたらめであり、体制の意思決定に従い、アメリカと直接協議を行うつもりはまったくないと、改めて強調することになったのである。

〔…〕

 また多くの政治アナリストも、革命防衛隊情報担当副総司令官のホッジャトルエスラーム・ホセイン・ターエブが〔ヴェラーヤティー氏の米訪問に〕同行したというのも、この噂を構成する要素の中で、もっとも真実味を欠いている箇所だと指摘している。アメリカによる制裁リストに名が挙がっている人物が、協議のためにアメリカを訪れるなどというのは、少々皮肉が効きすぎているのではないか、というわけである。

〔‥‥〕

Tweet
シェア


関連記事(最高指導者、メッカ巡礼団にメッセージ「シリア民主化を支持しているのは独裁者の支援者たち」)
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:8409119 )
( 記事ID:28129 )