サイーディー師「マッダーフを職業として理解するべきではない」
2012年11月06日付 Mardomsalari 紙

 革命防衛隊最高指導者代理のサイーディー師は、イラン国民は現在、厳しい試練に晒されていると指摘した上で、「それゆえ、国の責任者全員がイラン国民の勝利に向けて、準備を整える必要があるのだ」と述べた。

 イラン労働通信の報道によると、ホッジャトルエスラームのアリー・サイーディー師は第3回「マッダーフという守護者たち」会議の席上、今やマッダーフや詩人、演説者たちには重大で重い使命があると指摘した上で、「しっかりとした目的をもった詩は、心を揺り動かさずにはおかないアーシューラーという偉大な出来事の《理由・原因》とその《詳細》について、きちんと語るものでなければならないが、しかし我がイスラーム社会を今日導くのは、もっぱらアーシューラーという出来事の理由・原因についての語りの方なのである」と述べた。

※訳注:ここでサイーディー師が述べているのは、第3代イマーム・ホセインとその一族郎党が壮絶な最期を遂げた、いわゆるカルバラーの悲劇で重要なのは、その悲劇のディテールではなく、むしろ「ホセインとその一族郎党はなぜ死を賭してまで戦ったのか」という理由の方であり、この理由を知ることで、現代のイスラーム社会が目指すべき方向が見えてくるのだ、ということだと思われる。

 革命防衛隊最高指導者代理は、マッダーフたちが注意を払うべき問題について、次のように述べた。「マッダーフたちは、預言者一族を称賛するという行為を、職業として理解するのではなく、〔イスラーム社会が目指すべき〕目的を伝える手段として理解すべきだ。〔マッダーフたちが詠う〕詩の内容は、威厳と信頼性、必要な資料〔上の裏付け〕をもつべきであり、イスラームの尊厳に見合ったレベルと内容をもたねばならない」と述べた。

 同師は、詩が時代状況と関連していること〔‥‥〕も、詩人やマッダーフたちが注意すべきもう一つの点であると続けた。

 サイーディー師はまた、世界の抑圧諸国に対するイラン国民の抵抗について触れ、「敵意に満ちた敵の政策に対して33年間にわたって抵抗をしてきた結果、われわれは今《ムアーウィアのテント》を攻略する〔※〕手前まで来ている。敵のあらゆる圧力や制裁は、イラン国民に対して後退するよう、そしてこれまでの苦労や抵抗をすべて無駄にするよう、説得するためなのだ」と述べた。

※訳注:西暦657年にイマーム・アリーとウマイヤ朝の創始者ムアーウィアの間で起きた戦争で、アリーがムアーウィアのいるテントまであと数歩のところにまで迫ったという故事にちなんだ表現。

 同師は、現在のわれわれと敵との全面対決の根本には、思想的・信条的な対立があると強調した上で、「〔‥‥〕ここでは、〔思想を表現する〕文章や詩は、信徒たちの武器として、重要な位置づけを有している。イラン国民は今、価値観の創造の最終局面に来ている。この段階での抵抗は、最終的な勝利を決定づけるものとなるだろう」と語った。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:28161 )