フィールーズアーバーディー少将「アメリカはシリアで新たな分断を画策中」
2012年11月04日付 Mardomsalari 紙
軍統合参謀本部長は、「大型ハリケーン・サンディで悲しむべき状況が生じ、被害を受けたアメリカ国民の安否確認が急を要しているにもかかわらず、同国政府はシリアで新たな分断を引き起こそうと画策している」と述べた。
ISNA(イラン学生通信)によると、軍統合参謀本部長のセイエド・ハサン・フィールーズアーバーディー少将は、「ガディール・フンムの祝日〔※1〕は、イスラームの統治構造を強化していく中で預言者ムハンマドがなしてきた数々の画期的行動を想起させてくれる」と強調した上で、「アメリカ合衆国民への世人の同情を呼んだ大型ハリケーン・サンディは、タバス近郊の砂漠地帯でおきた砂嵐という、かの歴史的事件〔※2〕を思い起こさせる」と述べた。
同氏はその上で、次のように続けた。「虐げられしアメリカ国民は、環境問題や人権を無視し、侵略に走る自国政府の過ちの尻拭いをさせられている。もしアメリカの為政者たちが、他国にちょっかいを出す代わりに自国民のことに目を向け、産業投資における環境ルールをきちんと管理していたならば、今日これほどの被害も、またこれほど脆弱な救援態勢も目の当たりにすることはなかっただろう」と続けた。
国家安全保障最高評議会の一員でもある同氏は、アメリカ政府は大型ハリケーン・サンディに直面し、自国の最優先課題として被害を受けた同国国民の安否確認を真っ先に行う必要があるにもかかわらず、遺憾なことに、シリアで新たな分断を煽ろうと全神経を集中させていると指摘し、「この異常ともいえる事態の中で、アメリカ政府が未だにシリアで新たな分断を引き起こそうと画策しているのは、驚くべきことである」と述べた。
フィールーズアーバーディー少将はまた、「アメリカの為政者らは、対アル・カーイダ支援の中心地であるような国、そして我々が入手した情報によると、その国の指導者がアル・カーイダのメンバー、もしくはそのリーダーであるような国を援助するために、シリアでさらなる争いの火種をまこうと画策しているのだ」と語った。
軍統合参謀本部長はその上で、「私はカタールに対し、アメリカの欺瞞に満ちた罠にはまって、自国の安全をこれ以上危険にさらさないよう勧告する」と付け加えた。
※1:イスラーム教シーア派の祝日の1つで、巡礼月18日に当たる。預言者ムハンマドが最後のメッカ巡礼から戻る際、フンムの泉(ガディール)という場所で、アリーをイスラーム共同体の後継指導者に選出したと伝えられている。
※2:1979年に発生した在イラン・アメリカ大使館人質事件で、アメリカ側によって行われた「イーグルクロー作戦」における出来事。同事件で人質となった大使館員及びその家族救出のため出動した同国海兵隊のヘリが、イラン北東部の都市タバス近郊の砂漠地帯で砂嵐に巻き込まれ不時着し、同作戦の失敗へとつながった。
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( 翻訳者:8409119 )
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