オーストリアとトルコ、トルコ系移民統合問題で4つの協力
2012年11月21日付 Zaman 紙

オーストリアにおける融和政策を担当するセバスチャン・クルツ政府顧問は、オーストリアで暮らすトルコ移民のために多岐にわたる取組みを進めているとして、「言語教育、家庭内教育、女性の社会進出、そして信仰という分野で、トルコと協力できることを嬉しく思います」と述べた。

クルツ墺政府顧問が代表を務めるオーストリア派遣団は、「国外在住のトルコ人及び親族会協会(YTB)」を訪問した。ギュルセル・ドンメズYTB副会長は、協会の概要と役割、活動内容などをオーストリア派遣団に説明した。

クルツ墺政府顧問は、オーストリアに約150万人の移民がいるとして、次のように続けた。

「この150万人の移民のうち、30万人がトルコ系です。トルコ系移民はオーストリアにおいて3番目に多い移民グループを形成しています。政府顧問局は移民問題に対して実質的な統合政策に取組み始めました。この取組みが私たちを前進させると信じています。移民問題についてはやるべき仕事がたくさんあります。過去をみると、トルコ人は出稼ぎ労働者としてトルコからオーストリアへやって来ました。しかし、彼らはこれから生活していく国として、意識的にオーストリアを選んだのではありません。」

■協力分野

クルツ政府顧問は、国外のトルコ人に対しYTBが大きな影響力を持つことを指摘し、移民政策のためトルコと4つの分野で協力したいと申し出た。協力関係の構築がオーストリア側にとってとても重要であると強調し、以下のように続けた。

「まず、第一の協力分野は、言語教育です。素晴らしいドイツ語学習の機会を提供します。こうした言語学習の機会を、トルコ系移民の人たちに知ってもらえるような活動が必要です。意識を高めなくてはなりません。
第二の分野は、家庭内で教育意識を高めることです。家族は子供たちにもっと教育を受けさせるべきです。トルコ系の若者は、学校を卒業していない人の割合がとても高く、そのせいで就職率も低くなっています。
第三に、女性の社会進出が挙げられます。移民のなかで、女性の就職率が一番低いグループはトルコ系移民です。したがって家庭の収入も少なく、これは社会生活にも反映しています。
そして最後に信仰の分野での協力です。オーストリアではムスリムが生活していますが、一方でイスラムに対する恐怖心があります。大抵の場合、この2つのグループ(ムスリムと非ムスリム)が一緒にやっていくには大きな問題が出てきます。私たちはオーストリアで、イスラム協会と、イスラム談話フォーラムを開催しました。このフォーラムにより、イスラムフォビア(イスラムあるいはムスリムに対する嫌悪感)に対して、私たちに何ができるのかを探り、建設的な結果を得ることができました。
最後になりますが、言語教育、家庭内教育、女性の社会進出、信仰という分野でトルコと協力できることを嬉しく思います。」

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( 翻訳者:大久保はるか )
( 記事ID:28311 )