日本の地震防災専門家からトルコへ警告
2012年11月22日付 Hurriyet 紙


京都大学防災研究所の梶谷義雄准教授は「1999年の地震の際の建築技術で今も家が建てられているなら、地震での家屋崩壊は避けられないと、はっきりと言えます」と警鐘をならした。

今日から始まり、キムセ・ヨク・ム協会の協賛で、トルコで初めて開催された、災害管理フェアに参加した梶谷准教授は、フェアの前に会見を行った。

■10~20秒前に知らせる

梶谷准教授は、日本が鉄道の多い国であることに注意を向け、「日本では地震を早期に警告するシステムとしてP波検知システムを使用しています。このシステムとスマートフォンには地震早期警告プログラムがあります。このおかげで地震の前に電車や、大きな工事は止められ、人々が逃げたり安全なところへ避難する機会が与えられます。しかし地震がいつどこで起きるか、かなり前から知ることは不可能です」と述べた。梶谷准教授はこの早期警告システムで地震発生がどれくらい前に知らされるかについては地震の場所により異なると述べ、「近場で起きる地震はより(発生まで)短い時間で、遠くで起きる地震はより前から知らせることができますが、この時間は10~20秒の間で異なります」と話した。

■二つの大事な地震技術

梶谷准教授はトルコと日本の間の最も大きな違いを次のように説明した:

「日本はトルコの約3分の1の広さです。そのため国のどの場所にも鉄道が敷かれ、自動車道もつくられています。しかしトルコは国土の広さにより輸送は基本的に幹線道路で行われています。日本の道はトルコの道より狭く、このため都市内部での火事の消火は安全ではありませんが、鉄道の面では日本はより容易に対応できると思っています。日本では電線と電話線は地上の電柱を通っています。トルコでは最近これを地下に通すようになりました。地下のほうがより安全です。地震の際も簡単に修理できるし、景観も美しいです。日本も地下に線を通したいと思っていますが、これは(工事にかかる)多大なお金と工事プロセスで生じうる深刻な障害が理由となり、現時点では難しい状態です。しかし私たちもトルコようにその導入を望んでいます。」

梶谷准教授は日本で地震に対し二つの技術を使っていると説明し、「一つ目に建物の基礎に緩衝材のような物を設置し、それが地震の揺れを吸収しています。もう一つは建物の中に使っている緩衝器に近いものです。これも地震の揺れを吸収し建物が倒れるのを防いでいます。この二つの技術は現在使われる最も重要な技術です」と述べた。

■昔のように建てられるなら崩壊は防げない

トルコが地震国であり、1999年の地震でその影響が知られるようになったと梶谷准教授は述べ、「1999年の地震のときの建築技術により現在も家を建てているなら、地震で家屋崩壊を防ぐことはできないと、はっきりと言えます」と警鐘をならした。
また梶谷准教授は「マルマラ海で起こると予想される可能性のある地震について、予期していることはありますか?」という質問に次のように答えた:

「イスタンブル地震はリスクの観点から見て世界で1位であり、この地震が起きたときに被害を受ける地域はとても広いでしょう。現在私たち皆がとても心配しています。トルコに強力な政府があることは大きなアドバンテージです。このアドバンテージを利用して、地震に関する取り組みが、一刻も早く、早急に始められなくてはいけません。政府が地震のために多くの予算を割いていると聞いています。これはすばらしいことですが、これに加え世界では様々な基金やこの問題について研究を行う研究者がいます。それらの基金からの協力を国が得て、研究者たちとの共同研究が行われれば、より効果的な成果がうまれると考えています。反対にこの問題を単独で解決しようとすると、結果は思うようにはならないでしょう。私はこの問題に関して、自発的にトルコを支援しようと考えている多くの研究者がいることを知っています。」

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( 翻訳者:畔上曜子 )
( 記事ID:28317 )