シリア側国境の町でシリア反体制派とPYD、合意?
2012年11月25日付 Hurriyet 紙


何日間も激しい戦闘が続いていた、シャンルウルファのジェイランプナル郡と接するシリアのハサカ県ラス・アル・アイン郡でPYD(民主統一党、シリア国内におけるPKK関連組織)軍と自由シリア軍に属する反体制派が合意に至ったと発表された。

トルコ国境に近い地点に対空装甲車で集まった反体制派はPYD軍と合意に至り、不安と共にトルコへ渡ったシリア人たちにラス・アル・アインへ戻るよう呼び掛けた。

国内の混乱が続くシリアで自由シリア軍に属する反体制派は11月8日、ジェイランプナルに接するハサカ県ラス・アル・アイン郡で軍と戦闘を開始した。ジェイランプナルに大きな緊張と恐怖を生みだした激しい戦闘の後、ラス・アル・アインは反体制派の手に渡った。支配を回復したい軍はラス・アル・アインに向けて砲撃や、その後3日間におよぶ戦闘機による爆撃を行った。砲撃が終わり、静寂が続いていたラス・アル・アインだったが、先週の月曜日、今度は反体制派とPYD軍の間で戦闘が始まった。激しい戦闘のなか、双方から死傷者が出た。シリア側からの発砲によりジェイランプナルの教師が軽傷を負った。またシリア側で発射され、ジェイランプナルに落ちた不発のロケット弾は治安部隊によって破壊された。(シリア側から)発砲された多くの銃弾により郡の居住地区の家屋が損傷した。

■両者は合意に至った

ジェイランプナルに緊張をもたらした戦闘の後、週末の国境は静寂に包まれた。金曜日以降は時々数回の銃声が聞こえる程度だったラス・アル・アインにおいて、そこにいる反体制派が、昼ごろトルコ国境に近い地点に集まり始めた。対空砲を搭載したトラックでトルコ国境まで150メートルの地点にある空き地に武装して現れた反体制派たちは、ここで「アッラーは偉大なり」と口々に唱えた。集合写真をとり、周りにいた記者たちに対して発表の原稿を読み上げた反体制派の一人は手に剣を持っているのが見受けられた。反体制派は約1時間の間、トルコとの国境に近い地点に留まり、何度も「アッラーは偉大なり」と口にし、国境地帯にある高い建物に自由シリア軍の旗をたてた。

13時半ごろ反体制派が解散し始める中、トルコ側に向かって来た数人を代表してある反体制派の人物が国境付近に集まっていた人たちに向けてアラビア語で話した。その反体制派の人物はPYDと合意に至ったと語り、今後戦闘が終わり、戦闘中にトルコに渡ったクルドやアラブ系のシリア人がラス・アル・アインに戻ることを望んだ。

■国境では対策が続いている

緊張が続くジェイランプナルでは治安部隊がシリア国境の対策を続けている。国境の基地では兵士たちが交代で待機する一方、対空装甲車では銃口をシリア側に向け任務についている。郡の国境に近い地点でも警察官がしばしば危険を避けるため市民に内部に留まるよう警告している。

先週の木曜日にシリア側で激しい戦闘起こり、飛んできた銃弾により郡のアタテュルク小学校の副校長が負傷したことで学校が休校となった郡では、明日から学校が再開される。月曜日に授業が再開されると発表した関係者たちはアクチャカレ同様ジェイランプナルでも生徒に対する補講が行われ、このため土曜日も学校が開かれると発表した。

■共同会見

ジェイランプナルにある26のNGOは、共同記者会見を行い、平和への呼びかけを行った。14時ごろに教員宿舎の庭に集まったNGOを代表して「保健・社会貢献労働者組合(Sağlık-Sen)」ジェイランプナル支部のオルハン・シェンリク代表が用意されたプレスリリースを読み上げた。シェンリク代表は、ラス・アル・アインで数日間続いた戦闘によりジェイランプナルでは命の保証もないと述べ、次のように語った:

「戦闘が激化すると、国立病院は搬送された負傷者たちの対応に追われ、私たちは病院を利用できなくなった。患者を周辺の郡や県の病院に送らなければならなくなった。ジェイランプナルの中小事業者は戦争の影響で仕事ができなくなり、決まったローンを支払えなくなった。彼らの状況を打開する対策がとられなければならない。すぐそばで戦争が起きているという不安と恐怖により、余裕のある多くのトルコ国民はジェイランプナルを離れる羽目になった。NGOとして戦争が一刻も早く終結し、私たちを覆うこの暗い雲が消えさることを望んでいる。」

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:28347 )