石油省次官:一日に軽油600万リットルが国外に密輸
2012年11月26日付 Jam-e Jam 紙
石油省次官が発表した統計によると、ペルシア湾における軽油1リットルの価格が1ドルだと仮定するならば、1日に価値にして600万ドルもの軽油が国外に密輸されており、その数字は1年間で約22億ドルにも及ぶという。
国営石油精製流通公社の代表を務めるアリー・レザー・ゼイガーミー次官は、最新の統計によれば、国外に密輸される軽油の量は1日に600万リットルに及ぶと発表した。〔石油密輸の実態についてより正確に把握しようとするのであれば〕密輸されるガソリンの量をこれに加える必要があることは、言うまでもない。
燃料の密輸は、
89年〔西暦2010年〕にスタートした補助金改革により内外の燃料の価格差が縮まったことで、根絶されるはずだった。ところがここ数ヵ月間、国内での
外貨レートの上昇により、内外の燃料価格に再び差が生じ始めたことで、燃料の密輸が急増するようになっている。
現在、軽油は〔補助金の付加された軽油で〕150トマーン、および〔補助金が抑えられた「自由軽油」で〕350トマーンにて国内で販売されているが〔→
参考〕、しかしこれを国外に密輸すれば、1リットルで2000トマーン以上の利ざやを密輸業者は手に入れることができるのである。
※訳注:現在、1ドルは公定レートで約1200トマーン、自由レートで約3千トマーンとなっている。
現在の流れが続けば、1リットルの軽油の価格を1ドルと計算して、年間22億ドルもの資金が密輸という形で国外に流出してしまうのを、われわれは覚悟しなければならない。しかも今後の数ヵ月間で、密輸される燃料の量は現在の数字よりも大きくなることが予想されているのである。
石油省次官は、こうした燃料の国外への密輸は組織化されたものだとの見方を示した上で、「これらの密輸は通常、〔国営石油公社から市場に〕卸された後に起きている」と指摘している。
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石油省次官によると、外貨レートの上昇によって燃料の密輸が再び見合うものとなり、経済的利益を生むものになっているという。実際、現在イランの西の隣国における軽油1リットルの価格は、平均して5千トマーンから6千トマーンなのである。
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:28351 )