タースーアー及びアーシューラー両日の儀礼によって、全国のホテルの客室稼働率も上昇
ムハッラム月9日(タースーアー)及び10日(アーシューラー)の両日、〔聖地訪問を目的とする〕「宗教観光」が再び活気を取り戻した。この間、各地のホテル経営者らはそれぞれ異なった日々を過ごしたようだ。というのも、イラン南部のホテルは旅行客らで満室になり、〔第8代イマーム・レザーが眠る〕マシュハドのホテルも同様の事態となった一方で、イラン西部のホテルは、大勢の旅行客からの恩恵を得られずじまいだったからだ。
通信社「文化遺産ニュース」が、イーラーム州メフラーン国境ホテル経営者連合のマジード・モハンマドザーデ理事長の言葉として伝えたところによると、イラン西部の諸州はこの期間、第三代イマーム・ホセインにまつわるタースーアーとアーシューラーの儀礼に参加するために、アゼルバイジャンやバングラデシュ、パキスタンといった国々から、多くの観光客を受け入れたという。
同氏はイーラーム州を訪れたこれらの観光客について、次のように述べている。「毎日数千人の観光客がメフラーン国境から出入国するため、〔ムハッラム月に入ってからは特に〕多くの人がこの地域を行き来する日が続いた。ところが、これらの観光客の多くが、この地域を一時的に通過するだけで、州内にあるホテルへの宿泊予定はないのである」。
モハンマドザーデ氏によれば、イーラーム州のホテルの客室稼働率は〔日によって〕まちまちで、100%に達した晩があったと思えば、次の晩には20%になるといった具合だったという。ある晩、この地域を訪れた観光客の一行に投宿予定があれば、地域のホテルは活況となるが、しかし次の晩になれば、もはやこれら大勢の観光客たちは跡形もなくホテルからいなくなってしまうのである。
観光客を引きつけるのにムハッラム月の儀礼が有する重要性は極めて高く、ホラーサーン・ラザヴィー州ホテル経営者連合のモハンマド・ガーネイー理事長はこの時期を「仕事をもたらす宅急便」と呼ぶほどだ。同氏によれば、「マシュハドは宗教観光の目的地の一つとして知られており、そのためにタースーアーとアーシューラー両日のマシュハドのホテル稼働率は90%以上に達する。また75%の部屋が、代理店によってチャーターされている」のだという。
同氏によれば、ここ数年間の経験を振り返ると、タースーアー・アーシューラー両日には国内各地で独自の行事が催されることなどから、観光客はこの時期、地元に戻ることを好むようになっており、そのためマシュハドのホテルも、〔かつてとは異なり〕稼働率が100%になることはなくなっているのだという。
他方で、ドル価格の高騰と、それによる海外からイランを訪れる観光客にとっての旅費の低下によって、今年に入ってイラクやパキスタン、サウジアラビア、クウェートといった国々からマシュハドを訪れる観光客の数も増加している。ただし、シリアやバーレーンからの観光客の数は著しく減少しているという。
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(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介
されています。)
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( 翻訳者:8410039 )
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