放射線医療機器、行方不明!?―トラブゾン
2012年12月12日付 Zaman 紙


保健省がトラブゾン・ヌムネ教育・研究病院の敷地内に付属ビル建設を試みたことにより、命に係わる過ちが露呈された。

1983年まで癌治療に使用されていたコバルト(Co-60) とセシウム(Cs-137)を含む放射線医療機器が、トルコ原子エネルギー機関(TAEK)へ引き渡されていなかったことが明らかになった。本紙が入手した情報によると、事件は次のように露呈された。

まず保健省と集合住宅局(TOKİ)が県保健総局の付属ビルをヌムネ病院敷地内に建設することで合意された。しかし病院側は同地区に医療機器の放射性廃棄物が埋められているとの理由から建設に反対した。これを受けトラブゾン県保健総局はTAEKへことの真偽を確かめるよう指示した。TAEKは調査で、病院の庭に埋められているとされた放射性線源に関する情報は確認できなかったとの報告書を準備した。 さらに解体された機器の譲渡または廃棄に関し、同機関に情報がないことも明らかになった。

その後のやり取りでコバルト(Co-60)を含む放射線医療機器が2003年に、チェクメジェ原子力研究センター(ÇNAEM)に引き渡されたと明らかにされた。セシウム(Cs-137)を含むその他の機器は病院の在庫目録に記載されているにも関わらず発見されなかった。46年前に病院に納品され治療に使用されていた行方不明の機器が捜索されている。TAEK関係者は、機器が盗まれ解体された後売られたとの疑いを持っている。こうしたことが起こっていたとするなら、何百人もの人々が放射線の脅威にさらされることになると警告されている。

本紙が入手した情報によると、行方不明であるとされている放射性線源(コバルト60とセシウム137)は病院にて癌治療に使用されていた。しかし病院側が新しい技術利用を要望したことを受け、この線源を利用不可とした。その後ユニットが解体され病院の倉庫へと撤去された。この間、高レベルの放射性を持ったセシウム137の機器が行方不明となった。(機器の)外部にあった500キログラムの鉛ゆえに、機器が盗まれたとの可能性が示唆されている。

トラブゾン県知事府のやり取りでは、病院へコバルト60放射線医療機器は渡されたが、セシウム機器に関する記録はどこにもなかったと主張されている。(調査の結果)見つかった文書では、本省から病院へ1966年6月4日に機器が引き渡されたという記述がはっきりと見られる。

使用されない、または廃棄された放射線医療機器はTAEKに属する原子力研究教育センターに送る必要がある。放射性を持った機器は保健機関の倉庫への撤去や中古品回収業者へ売ることは禁止されている。専門家によると、この事件ではTAEKのミスもある。専門家は、同機関が放射線医療機器の処理方法を問わずに大きな過ちを犯したとし、次のように伝えた。

「トルコにこの機器は約50個ある。TAEKはこの数を把握していなければならない。ここにTAEKが正確な在庫数を記録していなかったことが明らかになった。」

トラブゾンでの過ちは、1999年にイスタンブルのイキテッリ地区で起きた放射線の災害を思い起こさせ た。2人の兄弟が嘔吐のため病院へ行ったことで露呈された事件では、TAEKが破棄しなければならなかった鉛遮蔽体が中古品回収業者へ売られ放射能漏れの原因 となってしまった。関係者は危険度を説明するため、セシウム137がイキテッリで行方不明となったものの10倍の強さを持つと伝えた。

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:28538 )