「マルマラ海は、生物学的な観点から深刻な危機的状況にある。」
「マルマラ海における酸素濃度が下がっており、マルマラ海は生存活動のできない、生物が生きていくことができない水質状態になり始めている。」
「必要な対策を講じる。汚染しなければ、5~10年以内で、マルマラ海で劇的な変化を目にすることになるであろう」
「マルマラ海の変化する海洋状態観察プロジェクト(MAREM)」の調査結果報告によると、マルマラ海における酸素濃度が下がっている。
セヴィンチ・エルダル・イニョニュ・ワクフによって実施された「マルマラ海の変化する海洋状態観察プロジェクト(MAREM)」の2012年調査結果が会議で報告された。チャナッカレ海峡(ダーダネルス海峡)からエーゲ海に至る150以上の地点での測定結果に関する報告会議には、セヴィンチ・イニョニュ氏も参加した。イニョニュ氏は「非常に重要な調査であるため、さらなる関係者が一層関心を示してくださることを希望します」と述べた。
マルマラ海の状態は危機的
プロジェクトコーディネーターである水生生物学者レヴェント・アルトゥズ氏は、プロジェクトを1954年から今日まで途切れることなく継続してきたことを説明し、「2006年以降、セヴィンチ・エルダル・イニョニュ・ワクフの事業として行われている。多くの大学の援助により進められている一つのプロジェクトである。社会学から化学、生物学、人の健康(ヒューマンヘルス)に直接影響する要素に至るまで、とても広範囲にわたってマルマラ海に関係する観察事業を実行してきた。1954年に開始され、現在も継続が必要なこのプロジェクトは、毎年の観察とそのデータを一般に公開すること、すなわちパブリケーションが必要である。私たちは今日まで、この出版活動をも実現させてきた。12冊の本にしてきました」と述べた。
マルマラ海の状況が「危機的」であると述べた、プロジェクトコーディネーターである水生生物学者レヴェント・アルトゥズ氏は、「バケツをおき、毎年そのバケツにコップ一杯のインクを垂らし、さらにそれをきれいにするようなことを全くしなかったら、そのバケツの水の色は毎年、より濁っていく。マルマラ海における状況がこれである。私たちは不十分な浄化システムとマルマラ海に投棄される産業排水および、非常に深刻な家庭用下水について議論している。」と述べた。
マルマラ海における最も大きな危険のひとつが「海の活力の喪失」
マルマラ海における最も大きな危険の一つである「海の活力の喪失」だと強調したアルトゥズ氏は、「この結果、マルマラ海における酸素濃度が下がり、マルマラ海は、生存活動のできない、生き物が住めない水質状態になり始めている。これは、まず私たちの漁業に最も非常に深刻な影響を与えている。」と述べた。アルトゥズ氏は、マルマラ海からの海産物、そして人々がマルマラ海での海水浴に危険性があるかないかを検証するため、新しいプロジェクトを開始させたことを明らかにし、「人々から血液と髪の毛サンプルを採取し、重金属が人々に与える影響を見る。」と述べた。
問題は浄化システムで解決され得ることを強調したアルトゥズ氏は、浄化されたものを用いる(利用する)べきだと主張した。アルトゥズ氏は、必要な対策が講じられたなら、5~10年以内にマルマラ海の状態は劇的に変化するのを目にすることができるかもしれないことを明らかにした。会議では、調査に参加した研究者らも見解を述べた。
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( 翻訳者:細谷和代 )
( 記事ID:28565 )