保健省当局が批判「医薬品の輸入に充てられるべき外貨が高級自家用車の輸入に流用」
2012年12月15日付 Mardomsalari 紙
保健医学教育省次官は最新の発言の中で、中央銀行を批判し、「
公定外貨」が高級自家用車や化粧品の輸入に用いられていることを認めた。これより前、保健医学教育相は医薬品の輸入に割り当てられるべき公定外貨が、実際には何に使われているのか、われわれにも不明だと述べていた。
イラン学生通信(ISNA)の報道によると、〔必需品の輸入に充てられるべき〕公定外貨がここ数ヵ月間、高級自家用車やその手の商品の輸入に使われてきたのではないかとの噂が、関係者らの間でさかんに指摘されている。鉱工業商業相代行は当初、公定外貨が高級自家用車の輸入に充てられているとの噂を否定していたが、しかしその後、鉱工業商業相は年明け後〔3月20日〜〕数ヵ月間にわたって、公定外貨が高級自家用車をはじめとする様々な商品の輸入に充当されていたことを認める発言を行った。しかしながら、医薬品の輸入に充てられるべき外貨が、正確に何の輸入に用いられてきたのかは、明らかにされなかった。
高級自家用車の輸入に充てられた公定外貨の額が正確にどれくらいなのかについては、これといった統計・情報はないが、しかしイラン税関の発表した統計によれば、今年に入って最初の8ヵ月間〔3月20日〜11月20日〕で国内に輸入された高級自家用車の台数は2万7千台以上に及び、この数字は前年同時期比で9.6%の増加だという。また統計によると、我が国が外貨制限に直面していた今年のメフル月〔9月22日〜10月21日〕に、約4千台の高級自家用車が輸入され、アーバーン月〔10月22日〜11月20日〕にも4100台以上の高級自家用車が輸入されたという。
公定外貨を使った高級自家用車の輸入問題は広く取り上げられ、保健医学教育相もこの問題に介入するまでになった。マルズィーイェ・ヴァヒード=ダストジェルディー保健相はしばらく前、医薬品の輸入に充てられるべき公定外貨が高級自家用車の輸入に流用されているとの噂について、「あなた方と同様、私たちも医薬品用の外貨が何に使われているのか、分からないんですよ!」と訴えた。
同相曰く、「私たちは公定外貨が医薬品やその原料を輸入する会社にきちんと割り当てられるよう、ここ数ヵ月間にわたって努力を重ねてきた。しかし〔医薬品輸入用の外貨の獲得に、〕私たちは失敗してしまった。これらの外貨が実際に何に使われているのか、私たちにも分からない」。
こうした中、食品医薬品機構長官で保健省次官のアフマド・シェイバーニー氏も最新の発言の中で、不要不急の商品の輸入に公定外貨が充てられているとして、中央銀行の仕事を批判した上で、「この問題を主に訴えているのは、保健省である。というのも、〔中央銀行は〕何よりも必要とされている医薬品や、今日国の最重要課題となっている医療設備〔の輸入〕に公定外貨を充てる代わりに、化粧品や高級自家用車の輸入に充てようと考えているからだ」と述べた。〔‥‥〕
これより前、国会保健委員会のラスール・ハザリー委員も、今年に入って最初の7ヵ月間、医薬品の輸入に充てられるべき外貨のうち、たったの5分の1の額が実際に中央銀行から割り当てられたにすぎないと指摘していた。また、しばらく前に公表された情報によると、医薬品の輸入に必要な外貨25億ドルのうち、これまでに実際に割り当てられた公定外貨は6億ドルにすぎないという。
これに対し、外貨取引センターの報道官がISNAに述べたところによると、中央銀行は今年の始めからアーザル月22日〔12月12日〕までに、医薬品の輸入のために、14億ドルを公定外貨で〔輸入業者に〕支払ったとのことである。
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(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介
されています。)
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:28567 )