ディヤルバクル県リジェ郡で21トンもの大麻が押収された。ディヤルバクル県のムスタファ・トプラク県知事は押収された麻薬原料はトラック7台分に及び、価格にして4000万リラ(約19億円)に相当すると述べた。
ディヤルバクル警察署、軍警察司令部、国家諜報機構(MIT)ディヤルバクル支部は、リジェ郡の4つの村に対し麻薬取締作戦を遂行した。ムスタファ・トプラク県知事は、この作戦で押収された21トンの麻薬原料は、トラック7代分に及び、価格にして4000万リラに相当すると述べた。また県知事は、過去最大の押収量となったと強調した。
ディヤルバクル県で7月18日に行われた麻薬取締作戦で、テロ組織PKK(クルディスタン労働者党)は大きな打撃を受けていた。PKKの最大の資金源である麻薬取引に今回更なる打撃を与える形となった。ムスタファ・トプラク県知事は、PKKが国内や国外へ麻薬を売るため、地域住民を脅し大麻を栽培させたと述べた。トプラク県知事は、PKKが麻薬取引により莫大な資金を得ていたと述べ、「テロ組織PKK、KCK(クルディスタン社会連合)は麻薬取引で得た金の一部を実際のテロ活動に、またはこれから実行しようとしている武力闘争に使い、また一部の金は裕福な暮らしを送るためテロ組織の幹部らに送られている」と述べた。またトプラク県知事は、軍警察と警察がテロ組織の大きな資金源である麻薬取引をはじめとし、武器密売や人身売買をも防ぐために活動していることを明らかにした。
7月18日のディヤルバクル県での麻薬取締作戦に関して、トプラク県知事は次のように述べた。「あの日(7月18日)以降はもちろんのこと、それ以前にも念密に計画された取締りを行ってきた。あの日以降、捜査関係者のあらゆる手段を駆使し、そして毅然とした態度によって、テロ組織を下支えする麻薬栽培、製造地への介入は、以前と比べさらに効果を増した。テロ組織のディヤルバクル県でのテロ活動を壊滅させるため、テロ組織を下支えするディヤルバクル郊外の麻薬栽培、製造、貯蔵箇所への計画的な作戦を遂行した。この一連の作戦の中で、ディヤルバクル軍警察司令部により、リジェ郡オルタチ村、ヤルズ村、バラン村、カヤジュク村でPKKとKCKのテロリストへの後方支援となる武器弾薬が提供されるという情報が寄せられた。一方、上述地区でPKKの指示で協力者に大量の大麻を栽培、製造させ、これらを貯蔵させているとの通報が寄せられた。これらの情報から、この地区に潜むテロ組織メンバーを鎮圧化すること、武器弾薬および協力者を使い入手していた麻薬からの莫大な資金を押収すること、そして麻薬製造所の特定など、これらの目的のためにディヤルバクル県軍警察司令部、国家諜報機構ディヤルバクル支部、そしてディヤルバクル県警察が連携し諜報活動がなされていた」
■398のチームが活躍
トプラク県知事は、作戦では、398チームから編成する武装兵と第7部隊司令部が出動し、シコルスキー型のヘリコプターによる空からの援護をうけ、12月13-14日に麻薬摘発作戦を遂行したと述べた。県知事はまた次のように述べた。「7月18日に行われた取締りは、400キロメートルの範囲で同時に県内の12か所で行うという大規模なものだった。そして大量の麻薬が押収された。今回の取締りはリジェ郡の4か所で行われ、この地域では最大規模の取締りを敢行した。今回は、9つの軍警察特殊チーム、3つの警察特殊チーム、3つの軍警察レンジャー部隊、11のGKKチーム、5つの複合チーム、6つの司法警察チーム、3つの麻薬取締り犬チーム、3つの地雷探索犬チーム、2つの追跡犬チーム、そしてリジェ郡軍警察司令部の部隊などがこの作戦に参加した」。トプラク県知事は特定された場所の11の家宅を捜索したが、麻薬に関わる物的証拠は出てこなかったと述べた。
トプラク県知事は、麻薬捜査が12月12日から14日までの3日間にリジェ郡の4つの村とディヤルバクルの4箇所で行われたことを明かし、「最も大きな成果が得られた今回の取り締まり作戦では、21トンもの麻薬原料を押収することができた。7台のトラックに無理やり押し込めた。捜索関係者は現場の厳しい条件下で、道路や地面に埋め込まれた地雷などの脅威にもかかわらず、また(資金の)大動脈が断たれることでテロ組織による脅威が懸念される中、軍警察地域司令官の指揮のもと連携し、警察、国家諜報機構ディヤルバクル支部の協力で、作戦は成功し、大量の麻薬原料を押収するに至った」と語った。
トプラク県知事によると、押収品は以下の通りである。
「リジェ郡オルタチ村で1トンの粉状の麻薬と、7トンのクバル状(粉の形態の1つ)になっている麻薬、ヤラザ村で3トンの粉状の麻薬と、5トンのクバル状の麻薬、バラン村で1トンの粉状の麻薬と、4トンのクバル状の麻薬、など計16トンのクバル状の麻薬と5トンの粉状の麻薬の合計21トンが押収された。他にも、大きなシェルターが1か所、麻薬工場として使用されていたシェルターが1か所、さらに麻薬製造に使用された様々な物資、シェルター様式の貯蔵庫が9か所、25キロ相当の硝酸アンモニウム、41丁のカラシニコフ自動小銃、口径7.65ミリのヴィゾル製小型銃が1丁、40丁の猟銃、ノート型パソコンが1点、成分計量機1点、ワイヤースクリーンが9点、ガムテープが1点、1830リラ(約86,000円)、身分証明書が1点、テロリストが着ていた衣服2点とスカーフ2点が押収された。この取締り作戦で3人の容疑者が逮捕された。現場付近のテロリスト逮捕の手がかりになり得る衣服や爆破テロで使用されるための25キロ相当の硝酸アンモニア、そして41丁のカラシニコフ自動小銃は、押収された物の中でも特に注目をひく」
トプラク県知事は、麻薬が地形を利用し見えないような場所につくられたシェルターに隠されていたと述べた。
■市場価格で4000万リラ(約19億円)相当の麻薬
この取締り捜査によりテロ組織の最大資金源である麻薬基地に作戦を敢行したことで、大きな成果が得られたとトプラク県知事は述べ、「麻薬が押収されていなかったら、他の県に売られていくところだった。麻薬の情報収集をする、特に国際的な規模で、国連で、この問題に関し情報を収集する機関のデータによると、PKKの対ヨーロッパへの麻薬取引は全体の75%を占めているという。したがって、今回の取締り捜査でテロ組織の資金源を絶ったと同時に、罪のない人々が麻薬による被害を受けることも防がれた」と述べた。
またトプラク県知事は、リジェ郡で押収された麻薬は、市場価格で4000万リラ(約19億円)に相当することも付け加えた。
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( 翻訳者:松永拓人 )
( 記事ID:28572 )