■2013年世界経済の回復を見込む、限定的かもしれないが…
2012年12月23日『アル=ハヤート』
来年は世界経済の一定の回復が見込まれるが、こうしたものは保証されたものではない。世界経済の回復は、アメリカが真の回復を実現できるかに、そして成長市場が良好な成長率を維持するかに大いに依存している。一方、ユーロ地域での危機が継続する可能性が高いことで大方が一致しており、世界経済回復にヨーロッパが貢献するとは予想されていない。
成長市場の先頭を行くのは中国とブラジルで、両国は2012年に達成できなかった実質的な回復を実現しそうである。両国は、約1年前に回復が予想されていたが、2012年に回復を実現できなかった。これらの市場は、ヨーロッパの不況の影響を受けざるを得ない。この不況はユーロ圏の国家の債務危機と中東・北アフリカでの混乱で生じたものだ。他方アメリカは「財政の崖」に陥ることを避ける民主・共和党間の調整を待っている。
アラブ圏では、湾岸の2国は西洋の危機の余波を比較的受けずに済んでいる。石油収入は、多くの危機から影響を受けない状態にある。これは、ヨーロッパの不況という状況下でも、需要の安定、少なくとも大きな需要減少がないと予想されているからだ。アメリカの石油需要は依然として好調で、中国の需要は限定的だとしても増加が予想されている。アラブ圏には最大の課題は「アラブの春」の諸国が数十年受け継できた課題に対処することであり続けている。その課題とは、とりわけ、低成長と失業だ。
2012年も終わりに近づくにつれ、本紙はアラブ圏とヨーロッパの危機の相関関係を分析し、また紙面では解決の見通しも取り上げる。
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介
されています。)
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( 翻訳者:岡裕一朗 )
( 記事ID:28663 )