外貨の高騰でガソリン密輸が横行:対策は?
2012年12月23日付 Jam-e Jam 紙

 〔‥‥〕本紙記者の報告によると、第1次補助金改革の施行によって燃料価格が上昇したことで、内外(イランと近隣諸国)の燃料価格差が縮まり、国外への燃料の密輸は割に合わない商売となって、下火となった。このことは、補助金改革の最大の成果の一つと見なされていたが、イラン国内での昨今の外貨の価格高騰によって、この構図は崩れ、燃料の国外への密輸が再び利益の上がる商売になってしまっているという。

 〔対策が講じられる前〕密輸業者は燃料を国内において国内価格で調達し、それを国外に持ち出して売り、外貨を入手していた。最終的に、密輸業者は手に入れた外貨を国内に持ち込み、自由市場で売りさばいて、莫大な利ざやを得ていたのである。

 こうした密売は、多くの輸送トラックがイランから入ってくるトルコのような国で行われていた。現在、トルコにおけるガソリン価格は1リットル約4トルコ・リラで、1リラは外貨取引センターで1360トマーンなので、ガソリン1リットルはトルコにおいてイランの通貨で5440トマーンで売れることになる。これとイラン国内のガソリン価格1リットル700トマーンとを比較するならば、密輸業者がいかに莫大な利ざやを得てきたかが分かるだろう。

 こうした事態を受け、商品・外貨密売撲滅本部はイラン石油精製流通公社とともに、数段階に分けて対策を講じてきた。対策の第一弾は、燃料カードにチャージされる「自由ガソリン」の割当量を500リットルから300リットルへと、200リットル分減らすことであった。

※訳注:イランではガソリン等の消費量を抑えるため、各消費者がガソリンスタンドから買うことのできる1ヵ月間のガソリン量が決まっており、消費量はスマートカードに記録されている。

 イラン石油精製流通公社はこうした対策についての説明の中で、国境地帯での燃料の密輸が増加していることに言及した上で、個人用の燃料カードに割り当てられた300リットル分のガソリンがなくなった場合、〔密輸業者は〕ガソリンスタンド用のカードを使って、無制限に燃料を補給する可能性があると指摘していた。

 こうしたことから、昨日、対策の第2弾が発表された。それにより、国境地帯における燃料価格は〔公定レートの約2倍に当たる、1ドル24,950リヤールの〕「取引レート」で計算し、国境を通過する車両に売ることとなった。この計算は、軽油その他の燃料にも適用される予定とのことである。

 この件について、イラン石油精製流通公社のジャリール・サーラーリー代表取締役は、メフル通信とのインタビューの中で、燃料密輸に対抗する目的で、国境の入り口箇所におけるガソリン価格そのものを上昇させるという提案も出ていることについて言及し、「現在、〔国境地帯における〕ガソリン価格は、外貨取引センターでのドル価格に基づいて設定されている」と述べた。

 同氏は、国境地帯のガソリンスタンドでは、ガソリン価格はペルシア湾FOB価格と外貨取引センターでのドル価格に合わせて設定されているとした上で、「石油省、道路都市整備省、及び商品・外貨密売撲滅本部の三者間の合意によって、国境を通過する車両に割り当てられたガソリンのあまりについては、国際価格に基づいて計算され〔、販売され〕る予定だ」と語った。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:28668 )