カイロの両替所(AP)
■エジプトの銀行三行が信用格付け引き下げ
2012年12月27日『アル=ハヤート』
【カイロ:マールスィール・ナスル】
スタンダード&プアーズ社は、エジプトのソブリン格付けの引き下げから二日後、エジプトの銀行三行の信用格付けをB/BからB/Cに引き下げた。信用格付け機関は、自身の報告書の中で、エジプト銀行、エジプト国立銀行、国際商業銀行(CIB)の長・短期信用格付けを引き下げたと報告し、これらの銀行の将来性への見込みは薄いとの見解を述べた。同社は、エジプトの長期ソブリン格付けを2日前(25日)にBからBマイナスに引き下げたと言及した、また、もし政治的混乱の悪化によって、経済支援や一般予算において費やされている努力が無駄になるならば、信用格付けはさらに引き下げられると注意を喚起した。
国際商業銀行の消息筋は、本紙に対し「現在の指標は惨事を警告している。なぜなら、当銀行は重大な障害に現在直面している。その中で最も突出したことは、銀行がドルの流動性低下に苦しんでいるなか、ドル買いの動きが最も顕著なことだ。またどの銀行も1日わずか1,000ドル以上のドル売りも認められておらず、ドル建てで預金をしている顧客は、1日1万ドル以上の引き出しが認められていない」と述べた。同筋は、公式発表がなされていないにもかかわらず、現問題に関する政府の諸決定は有効だと指摘した。
エジプト政府は、2011年の「1月革命」以来、政治的・治安的不安定によって引き起こされた観光収入の減少や海外からの投資減少が原因で、経済危機に直面しており、外貨準備高が減少している。政府にとって今最も重要かつ困難な課題は、経済を保護し、来年の中ごろまでに危機解消を実現するために、2013年度予算で十分な資金調達を確保することだ。次の優先事項には、予算に多大な負担をかける政府の助成制度改革などの中期的な行動計画への着手や、より高度でかつ包括的な成長を実現する政策の策定が挙げられる。
(後略)
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( 翻訳者:井上剛 )
( 記事ID:28700 )