逮捕された4名の強盗恐喝犯、法廷で涙「強盗恐喝への罰則が死刑だなんて思わなかったんです」
2012年12月30日付 Mardomsalari 紙
同日付ジャーメ・ジャム紙1面より
テヘラン在住の4名の強盗恐喝犯が法廷に立ち、事件発生前に4名とも別の強盗恐喝犯たちの犠牲者になった過去があることを明かした。
ファールス通信の報道によると、今年のアーザル月11日〔西暦2012年12月1日〕、武装した4名の強盗恐喝犯が〔テヘラン中央部の〕キャリーム・ハーン通りで1名の人物を襲撃し、暴行した上で強盗を働く事件が発生した。
暴行の容疑で逮捕されたテヘラン出身の4名の被告に対する第1回公判が昨日、テヘラン革命裁判所第15法廷で、サラヴァーティー判事を裁判長にして開かれた。
この事件の検察側代表のレズヴァーンファル判事は、強盗恐喝容疑で逮捕された被告らの裁判が始まる前、ファールス通信のインタビューで「4名の武装強盗恐喝犯に対して出された起訴状では、被告2名に対して反逆罪が、また別の2名に対しては強盗罪が求刑されている」と述べ、さらに「われわれは本件に対する審理がスピード感をもって行われるよう努力してきた。4名の武装強盗恐喝犯に対する審理を可及的速やかに行うことができたのは、実に幸いなことだった」と強調した。
〔‥‥〕
〔公判の中で〕レズヴァーンファル判事は、本件の一人目の被告が1368年〔西暦1989年〕生まれであることを指摘した上で、「この人物は調書の記述によれば、『地上に頽廃をまき散らす行為』ならびに『刀剣類を用いた反逆行為』の容疑で、有罪と認定されている」と主張、その上で「二人目の被告は1367年生まれで、この人物も〔健全な市民生活を〕脅かすことで地上に頽廃をまき散らしたことにより、神への反逆に手を染めた」と言明した。
※訳注:「地上に頽廃をまき散らす行為」、及び「神への反逆行為」はいずれもコーランにみられる表現で、この罪に問われた者に対する極刑は死刑となっている。
検察側代表は3人目、及び4人目の被告について、「両名は兄弟で、刀剣類による強盗の容疑で、起訴状が出されている」と述べた。
検察側代表は事件の概要について説明し、「被告らは精神異常に陥っていた等の異常な状況の中で、こうした〔犯罪〕行為に手を染めた可能性もあるとわれわれは考え、これらの者らを法医学に送ったが、しかし法医学は彼らをあらゆる観点から正常であると判断した」と語った。
〔‥‥〕
裁判の続きの中で、一人目の被告は容疑を受け入れるかとの裁判官の質問に対し、「容疑を認めます。私のやったことが犯罪行為であることは承知しています」と答えた。
同被告はさらに、「10年前、私は父を心臓病で失いました。また母は、数ヵ月前に病を患い、生活費を稼ぐことができなくなりました」と述べた上で、「私たちは〔イマーム・ホメイニー〕救済委員会の保護を受け、また融資によって自宅を買うこともできました。私と私の妹〔あるいは姉〕、そして祖母は母と一緒にその家で暮らしていました」と語った。
同被告は「母は当初、『人民の家』〔?〕で働いてしていましたが、しかし病気によって働くことができなくなりました。母の手術代と家族の生活費を稼ぐために、私がこのようなこと〔=強盗・恐喝〕に手を染めたのは、このことがきっかけでした」と述べた。
〔‥‥同被告は事件被害者から7万トマーン(約2500円)を強奪したことや、事件の1週間後にも強盗・恐喝行為に手を染め、4万トマーンを奪い取ったこと、ケンカで逮捕された前科があること、「市民の名誉・貞操への迷惑行為」の容疑をかけられたことがあることなどを述べ、罪を犯した理由が貧困にあることなどを主張して、過去の償いのための減刑を要求、裁判の審理は二人目の被告に移る‥‥〕
テヘランで起きた強盗恐喝事件の4名の被告に対する第1回公判の別の箇所で、1371年〔西暦1992年〕生まれの二人目の被告〔※〕(前科なし)が容疑に釈明するために、被告人席に立った。
※訳注:記事の前の箇所で、この被告は1367年(1988年)生まれであると記述されていたが、どちらが正確なのかは不明。
サラヴァーティー判事が同被告に対し、「起訴状によれば、あなたは『神への反逆行為』によって〔市民生活に〕恐怖を引き起こし、地上に頽廃をまき散らした容疑に問われています。自身をどのように弁護しますか」と問いかけると、被告人は「私の行ったことが犯罪行為であることは認めます。しかし、この行為が神への反逆行為だなんて知らなかったのです。その罰が死刑だということも」と訴えた。
同被告はその上で、「母がお金をくれるので、私は経済的に困窮してはいませんでした。ただ、事件の4人目の被告である友達に騙されたのです」と続けた。
〔‥‥〕
この記事の原文はこちら
関連記事(テヘランで100名のならず者を逮捕)
( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:28762 )