Yalçın Doğan コラム:いま、注目はBDPへ―イムラル・プロセス
2013年01月08日付 Hurriyet 紙

南東アナトリアの人々は何を考えているのだろうか?(民主社会会議の)アフメト・チュルク氏と(平和民主党の)アイラ・アカト・アタ氏のイムラル島訪問は、南東アナトリアでどのように受け取られているのだろうか?

長年親しくしている南東アナトリアのクルド人たちに尋ねてみた。すると彼らはこう答えた。

「今回のクルド問題解決プロセスを乱す者は負けだ。クルド人が乱せばクルド人が、政府が乱せば政府が、カンディル(のPKK本部)が乱せばカンディルが、敗北するのだ。」

この数年でオジャラン氏との会談は56回行われた。しかしいかなる結果ももたらさなかった。今回はこれまでよりも希望が持てる。これまでの努力を無駄にしないように、という思いが強い。希望はあるが、懸念も無いわけではない。

希望の源はクルドの人々である。クルドの人々がクルド問題の解決にこれほど積極的なのは初めてだ。解決の光が見えたら、カンディルはどうするのだろうか?南東アナトリアの人々の返答はこうだ。

「カンディルはもう市民の望みに異議を唱えまい。実のところ、カンディルにいるのは大半がシリア出身者とイラク出身者だ。カンディルの主要な問題はそこにある。トルコからカンディルへ行った者も、市民の望みに抗えまい。山へ登った(訳注:PKKに入った)者に対して、もはや彼らの近親者もこころよく思っていない。」

カンディルの構造は、武装解除のための基本的な問題の一つである。

■強い確信

南東アナトリアの人々の決意はこれほどまでに固い。すなわちシュルナクでも、マルディンでも、ハッキャリでも、ジズレでも、バトマンでも、会うことのできた長年の知人たち(このうち一部はさまざまな時期に首長を務めていた)は、こう言ったのだ。

「和平のための努力が今回も失敗したら、クルド人組織の面子も政府の面子も交代するだろう。」

また、次のような確信が顕著であった。
「この試みを妨害したがる者はいない、乱す者がいるとすれば政府だ。」

最後のイムラル島会談の後、私がこのような意見を聞いたのはこれが初めてである。背景にある不信感は、ここ数ヶ月の過程に結びついている。平和民主党(BDP)党員たちが絶えず疎外され、さらにはBDP党員とオジャラン氏の面会は決して許可されないと宣言されていた、にもかかわらず突然許可が下り、このことに人々は疑問を感じている。

この背景には何か別の意図があるのだろうか、という疑問。しかし解決を望む気持ちの方が前面に立っている。

■協議会

BDPもこのプロセスを深刻に捉えている。BDPは今日、協議委員会を開く。協議委員会は、BDP執行部や、国会議員、かつてクルド政策で名の知れた人物たちから成る。タルク・ズィヤ・エキンジ氏、イスマイル・ベシクチ氏、フェリドゥン・ヤザル氏、ファイク・ブルト氏、フィクレト・バシュカヤ氏、ケマル・パルラク氏などがいる。

今日のBDP協議委員会では、オジャラン氏との面談について評価が行なわれるだろう。BDPの今後の政策や具体的な活動が検討されると思われる。

希望があり楽観がある。しかしみな警戒も怠らない。苦い経験を誰も忘れてはいない。そして真の障害はカンディルである。

■反動主義はゆるし、左翼は拒む

私がこれまで何度か言及してきた件が、国防大臣の会見によって再び話題となっている。規律と個人の過失を除いて、軍から除名される理由は大きく分けて二つある。一つは反動的という理由、もう一つは左翼という理由である。公正発展党(AKP)政権は2011年、トルコ国軍(TSK)人員法に一項を加え、除名された軍人を復権させた。さらに彼らに公的機関で働く機会を与えた。

しかし、これまでこの決定によって利益を得たのは、高等軍事委員会によって反動的という理由で除名された者だけである。左翼という理由で除名された者や、法廷で有罪判決を受けた軍人や軍学校の生徒は、この権利を行使できずにいる。

彼らの一部は、いまだに新たな裁判を開き、法律では認められてはいるが実行されない権利の回復に努めている。

イスメト・ユルマズ国防相は、以前の会見で、「疎外された彼らのために是正を行なう」と発表した。しかしあれから半年経ってもそのようなことは行われていない。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:28812 )