Fikret Bilaコラム:フランス当局の捜査の進展こそ重要―パリPKK女性幹部3人暗殺事件
2013年01月11日付 Milliyet 紙

PKK(クルド労働者党)創設メンバーのうちの一人であるサキネ・ジャンスズと、ヨーロッパにおいてこの組織の重要な代表者として知られるフィダン・ドアンとレイラ・ソイレメズの殺害事件は、(クルド問題の解決にむけ)アブドゥッラー・オジャランとの交渉を始めているトルコにおいて、相互非難の原因となった。最初に行われた論評では、暗殺のタイミングに注意が向けられ、なんらかの形でイムラル島でのオジャランとの交渉に関係付けられた。

政権側からの最初の論評はヒュセイン・チェリキ公正発展党(AKP)副党首から行われた。チェリキ副党首は事件が「組織内部のいざこざのように見える」というコメントをした。これに対する反応はすぐに返ってきた。平和民主党(BDP)のセラハッティン・デミルタシュ党首とギュルタン・クシャナク福党首は強く鋭い言い方で、この殺人事件が「闇の政府の仕業」であると述べた。
PKK(クルド労働者党)のヨーロッパ支部からも同じような非難があった。KCK(クルディスタン社会連合)も、「トルコの闇組織の仕業かもしれない」と延べ、同じ非難を行った。

イムラル島でオジャランと会見を始めたこの過程において、PKK(クルド労働者党)上層部の3人の女性代表者が殺害されたとなれば、政権とPKK(クルド労働者党)-KCK(クルディスタン社会連合) -BDP(平和民主党)-DTK(民主社会会議)によって行われた初めのコメントがこのようであることは驚くべきことではない。DTK(民主社会会議)共同議長でマルディン県選出で無所属のアフメト・トゥルク議員、アイラ・アカトBDP(平和民主党)バトマン県選出議員が島を訪れたと述べた発言から昨日まで、このような事件がおきうるという発言がおこなわれていた。
何がどうであれ、この事件が解明される前、そして明確な情報や発見がもたらされる前に、政権と相互非難をするのは良い方法ではない。事件のすぐあと行われる説明が情報を根拠にしておらず、間違っている可能性がいつも高い。

■エルドアンは落ち着いていた

セネガルで新聞記者の質問にこたえたレジェプ・タイイプ・エルドアン首相は事件に対しより冷静なアプローチを取った。
「事件がまず解明されるのを待つ必要があります。すぐコメントをすると間違えます。これは内部のいざこざかもしれません、その一方で、現在テロに対し私達が行っている闘争があります。私達は進展を望んでいますが、これを望まない者たちもいます。」と延べ、「辛抱強くいなければならない。」と述べた。
エルドアン首相ははっきりした表現を使わず、落ち着いて対応した。
首相の行ったように、他の人たちも予断をもって発言するかわりに、情報が明らかになるのを待るのはより正しい方法だ。

■フランス警察

事件の解明はフランスの警察の責任にかかっている。先進国であるフランスの、パリの最も混雑した大通りの一つにあるビルで起きた殺人事件に関し、具体的な発見がなされるのが期待される。
この混雑した大通りに防犯カメラがとりつけられているだけでなく、殺人が行われたビルを映すカメラがあると推測するのは難しいことではない。また、フランスの警察がテロ組織PKK(クルド労働者党)の活動を追っていたことも知られている。フランスの警察がこのビルで殺人がおきた部屋で行う捜査で、多くの情報や発見が見つかるのは明らかだそれゆえ、フランスの警察が到達する情報、発見、証拠は事件を解明させるのに非常に大きな重要性を持つ。

殺人事件の解明に責任をもつフランス警察が入手している、あるいはこれから入手するであろう情報が公開される前に、予断をもった判断をすること、互いを非難することは誤りだ。事件を解明する情報が得られるまで、辛抱するのが正しい方法だ。

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( 翻訳者:畔上曜子 )
( 記事ID:28838 )