パリでの抗議集会の模様
パリで殺害された3人のクルド人女性の遺族は、その遺体がトルコで埋葬されることを望み、担当者たちはゴーサインを出した。大きな葬儀がディヤルバクルで行われる。
フランスの首都パリのクルディスタン情報局で暗殺され亡くなったPKKの設立メンバー、サキネ・ジャンスズとフィダン・ドアン、レイラ・ソイレメズの遺体は家族の希望によりトルコに送られる。家族はこのためにフランス当局に申請しており、検死が終わった3人の遺体の搬送のためパリのトルコ大使館にも申請することが分かった。亡くなった3人のPKKメンバーのため、ディヤルバクルで大きな葬儀が営まれることが分かった。事件で亡くなったサキネ・ジャンスズとフィダン・ドアン、レイラ・ソイレメズの検死は終了した。家族がフランス当局に申請して遺体をトルコに持ち帰ることを望み、フランス当局から引き受けた後、遺体はトルコへ搬送される。
■デミルタシュ共同党首が要請
一方、フランスにあるクルド人協会は葬儀に関する手続きを担当するため、5人の弁護団を用意した。弁護士たちは遺体がトルコへ送られるよう、月曜日にパリにあるトルコ大使館に申請すると分かった。事件後フランスに行き、昨日の大きな抗議デモにも参加したBDP(平和民主党)のセラハッティン・デミルタシュ共同党首はここでトルコの外交官と面会し、遺体の搬送に関して直接要請した。外交官たちはジャンスズとソイレメズ、ドアンはトルコ国籍であるため、他の国民にも適用される国際遺体搬送フォーマットが適用されると明らかにし、3人の遺体もトルコに搬送されることに障害は無いと言ったことが分かった。
ラディカル紙の質問に答えたBDPのヴァン選出のナズミ・ギュル議員は家族の要望に沿って遺体がトルコへ搬送されると明かし、「申請後、何か問題が起こるとは思わない。手続きはすぐに完了すると予想している。遺体は故郷で我々の伝統に沿って埋葬される」と述べた。
■葬儀のプログラムが詳細が決定
ジャンスズとドアン、ソイレメズの葬儀のプログラムもほぼ決まった。3人の女性の遺体は正式な手続きが完了した後、まずディヤルバクルに搬送される。多くの人の参加が予想されるディヤルバクルでの葬儀の後、リジェ出身のレイラ・ソイレメズ氏の遺体はディヤルバクルで埋葬される。サキネ・ジャンスズ氏の遺体は故郷のトゥンジェリへ、フィダン・ドアン氏の遺体は故郷のカフラマンマラシュのエルビスタン郡へ搬送され、埋葬される予定だ。
■あらゆる可能性を考慮
殺人事件の解明のための捜査は続いている。ル・フィガロ紙はフランスのテロ問題担当検事が事件を解明するためドイツとベルギーの検事たちと面会したと報じた。同紙は殺害を捜査する担当者たちはあらゆる可能性を排除していないとし、担当者たちは政治的な理由に関してより重点的に捜査を行うだろうという見解を発表した。フランスのTF1テレビは捜査担当者からの情報として、2人の女性の頭からは3発、1人の女性の頭からは4発の銃弾が見つかったとし、殺害が7.65ミリ口径の拳銃により行われたと報じた。
■「新たなハブル(注)となるのではないか」との懸念
葬儀がディヤルバクルで行われることはイムラル・プロセスを支持する人たちの間では「新たなハブル事件となるのではないかとの懸念の原因となっている。BDPはこのような心配はしていない。BDPヌルセル・アイドアン共同党首はこのような心配は不適当だとし、「ハブルは別物だった。喜びがあった。しかしこの葬儀は私たちの同志の死の後に行われ、今あるのは悲しみだ。当然、大規模な葬儀となるが、懸念のもととなるようなことはおこらない」と述べた。BDPのデミル・チェリキ副党首は「結局、これは葬儀だ。宗教的、良心的、人道的な観点で取り行われる。人々は感情的にはなるだろうが、しかし決して挑戦的行為や行き過ぎた行為は起こらない。虐殺は記者会見で非難される」と語った。
[訳者注:2009年に試みられた「クルド問題解決策」の一環で、北イラクからハブル国境門を通って多数のPKK員が投降した事件。国境門やディヤルバクル等での盛大で英雄的な歓迎が逆にトルコ世論の反発を生み、結果的に当時の「クルド問題解決策」の頓挫を招いたとされる。]
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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:28870 )