アルジェリア:「虐殺を避けるための軍投入」を強調
2013年01月19日付 al-Hayat 紙


■アルジェリア当局「虐殺を避けた」と発表

2013年1月19日『アル=ハヤート』

【アルジェ:アーティフ・カダーダラ、ロンドン:本紙】

昨日(18日)過去2日間続いている軍事作戦の詳細は謎に包まれている。この攻撃はアルジェリア軍が武装イスラーム主義集団に拘束されている数十人の人質解放のために行われており、イリズィー県(首都から南東へ1,600km)のアイン・アミナース(イン・アミナース)のガス精製施設に同集団は立てこもっている。軍事作戦は夕方の早い時間帯も続いていると思われ(作戦範囲は)ティクナトゥリーナガス精製施設内の一角に限られていると思われる。この場所には、10人近くの武装した実行犯が立てこもっており、武装勢力と共に数人の人質がいる。一方でアルジェリア軍の特殊部隊は木曜日(17日)100人の外国人職員と573人以上のアルジェリア人職員を解放することに成功した。しかし、依然として32人の外国人職員の命運は謎に包まれており、彼らが殺害されたのか、未だ拘束中なのか(実行犯である)「血判」部隊の手中にある人質に加えられることを恐れて精製施設内に隠れているのかもしれないのか、不明である。なお、この「血判」部隊はムフタール・ベルムフタールが率いている。

昨日(18日)アルジェリア軍は特殊部隊が人質解放のため攻撃を行ったことを弁護した。(アルジェリア軍の反応は)作戦についての主な国際的な立場が表明され(各国が)国民が人質となっている国々との協調なしに行われた行為について批判したことを受けたものである。また各国は、作戦は実行犯側との交渉の機会を持つことなしに行われた行為だとして批判した。アルジェリア軍は平和的解決を最優先したが、実行犯側が人質の虐殺を行うと決定したことが明らかになって初めて(武力)介入したと発表した。なお、この実行犯のうち、多国籍からなる18人がアルジェリア軍により殺害された。

またムフタール・ベルムフタールが、2人のアメリカ人の人質解放のためにアメリカ政府との交渉を提案したことを通じて今般の危機に参入したことが注目される。この交渉は人質となっている2人のアメリカ人の解放と引き換えにエジプトの「イスラーム団」の司令官のウマル・アブドゥッラフマーンとパキスタン人のアーティファ・サディーキーを釈放するためであった。なお、この2人はアメリカでテロ行為に関係した容疑で服役中である。しかし、アメリカ当局はこの要求をすぐに拒否し、アメリカ外務省のヴィクトリア・ノーランド報道官は「アメリカはテロリストと交渉しない」と述べた。

アル=カーイダの指導者であるアイマン・アッ=ザワーヒリーは数週間前に「盲目のシャイフ」として知られるアブドゥッラフマーンと交換するためにアメリカ人の誘拐を脅迫していた。またアッ=ザワーヒリーは以前、サディーキーの解放も求めていた。彼女はパキスタン人科学者であり、アメリカ人兵士へのテロ攻撃を計画していたとして86年の禁固刑を受けている。

アルジェリアの複数の情報筋は昨日(18日)夕方、ガス施設のアルジェリア人と西欧人人質事件はアルジェリア軍特殊部隊が施設の大部分を制圧し、外国人100人を含む673人の人質を解放したことで「最終局面」に入ったと伝えた。アルジェリア軍の報道官は「実行犯は外国人職員をガス精製所へ人質として移しており『テロとの戦い』に参加する諸外国と国際社会へ強い圧力かけるためにマリへ人質を移そうとしている」と述べた。また軍情報筋は「この(実行犯)集団は人質をマリに移すことに失敗した際、国際社会への影響を増幅させるために外国人人質の殺害を決定した」と語った。また同筋は、アルジェリア軍特殊部隊は「平和的解決」にいたろうと努めたが「特殊部隊が入手した情報に基づき、テロリストたちが人質全員の殺害と真の虐殺を犯すことを決定したため、人質の人名急需のために介入を決定した」と強調した。なお、この特殊部隊は木曜(17日)の朝、施設を包囲した。

(後略)


(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:小島明 )
( 記事ID:28946 )