モロッコ:好調な降雨により経済が回復する見通し
2013年01月27日付 al-Hayat 紙

■モロッコ:降雨が恵まれた農繁期への期待を増大させ、経済を回復させる

2013年1月27日『アル=ハヤート』

【ラバト:ムハンマド・アッ=シャルキー】

モロッコでの豊富な雨量が農民たちの主要穀物類の豊作と国を満たすだけの生産の実現への期待を復活させた。またこの主要穀物の豊作はモロッコに一部の食料輸入を少なくさせ(この雨は)モロッコの成長を2%支えることになる。昨年度の干ばつはモロッコの経済と社会にマイナスの影響をもたらした。「最高計画委員会」は農業活動が次の収穫期を通して改善し、主要穀物の分野では700万トンに達し、農業部門の付加価値は今年6%上昇すると予測した。なお、この付加価値は昨年9%の低下を記録しており、これは柑橘類とトマトの輸出量の減少を招いた。

先月、降雨量は38%増加しており推計によれば今月を通して北部・東部・アトラス山脈の平野部と山間部では50%の増加率を超える可能性がある。これはダムの貯水量を約200億立方メートルに上昇させ、この量は2年間の灌漑に足る量である。同委員会は豊富な水によりモロッコでは穀物、野菜、果物、オリーブオイルの生産量が増加するだろうとの見解を示し、適切な気象条件によって経済回復が可能になると指摘した。モロッコ経済は昨年度の最終四半期では2.8%の成長をしたが、今年は5%の成長が予想されている。そして今後の見通しに関しては昨年のものよりも楽観的なように思われる。なぜならば、今年の欧州経済に下半期の回復指標が示されていることと、モロッコの輸出に対しての外需が増すとの予想の指標が出現しているからだ。

モロッコ(経済)の66%は、欧州経済と関係しており、農業はモロッコのGDPの16%分を寄与している。また特に秋冬といった(欧州の)気候が寒くなる時期には、欧州市場はモロッコの農業輸出市場にとって最も重要なマーケットであるとみなされている。そしてヨーロッパ市場はアガディール地方の農民に食料の一部に依存している。なお、このアガディールはアフリカ・アラブ諸国で最大の野菜の魚類の輸出量を誇るとされる町である。

モロッコは昨年(2012年)278億ディルハム(33億3,000万米ドル)分の農産物を輸出したが、これは一昨年(2011年)に比べ900万ディルハムの輸出減であり、食料分野の輸出はモロッコの輸出量の約15%を占めている。なお、昨年輸出量は1,840億ディルハムに達した。一方で降雨量のため、国内の世帯消費は2012年の世帯消費から4%以上増加すると予想され、2011年に記録した9.7%程度の水準になると考えられている。加えて降雨量のために食料品価格の上昇率を低下させるとの予想もされている。食料品価格は食糧生産の減少により3.2%上昇していた。なお、農業部門は38%の雇用を占めている。

また降雨は田舎において、家族の団結を保持することと農村部内の社会的安定という社会的役割を果たす。地方社会が安定することで大都市への流入が減るため、大都市への圧力が和らぐ。その大都市では地方で乏しい降雨量や水不足が起こるたびに大都市の(公共施設などの)社会資本は悪影響を受けているのだ。国際価格よりも気候変動はモロッコ経済に影響していることが専門家の見解として一致している。観光・不動産・投資は気候に作用され、消費や農産物に左右されている。つまり、大地の芽吹きも山岳に降雪が見られるのもすべては天候次第なのである。そして成長予測なども降雨日数次第であるのだ。

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( 翻訳者:小島明 )
( 記事ID:29024 )