ヌーリー=ハメダーニー「イランへのワッハーブ主義の浸透のために30億ドルが支出」
2013年01月27日付 Mardomsalari 紙

 シーア派マルジャエ・タグリードの一人であるヌーリー=ハメダーニー師は、イラン南部に位置する一部の都市でワッハーブ派が〔勢力伸長を〕試みていると指摘した上で、「カタール政府はイラン南部諸州にワッハーブ主義を浸透させるために、30億ドルを支出している。彼らは嫌シーア/嫌イラン・プロジェクトを目論んでいるのである」と述べた。

 イラン労働通信(ILNA)によれば、アーヤトッラー・ホセイン・ヌーリー=ハメダーニーは「イスラーム諸宗派間の歩み寄りのための世界会議」の事務局長を務めるアーヤットッラー・モフセン・アラーキーと会談し、その中でイラン・イスラーム革命の勝利は世界のすべての人々、中でも非シーア派ムスリム諸国や西洋の予想を覆す出来事だったとの見方を示した上で、次のように語った。

敵はイスラームと革命両方を打ち倒すために、8年間にわたって《強要された戦争》〔=イラン・イラク戦争〕をわれわれに押し付けてきたが、しかしこうした《ハードな侵略》は実を結ばなかった。そのため、敵は《ソフトな戦争》に着手したのである。

 イスラーム神学校の傑出した教師である同師は、イスラーム革命のおかげで国の軍事力・経済力・政治力・文化力はいずれも日々増していると指摘した上で、「西洋や敵たちも安穏としてはいられず、革命を亡きものにしようと多大な力を割いている」と付け加え、さらに「敵はムスリム、特にシーア派の信仰・文化上の基盤を破壊しようとしている。そうすることで、イスラーム諸国への浸透を図っているのである」と続けた。

 同師は、サラフィー主義者たち〔※〕はシーア派に対して猛攻を仕掛けていると指摘した上で、「彼らは弱点を誇張することで、反シーア派プロパガンダを展開しているのだ」と語った。マルジャエ・タグリードである同師はさらに、「全ての人々にシーアの正当性を立証するために、シーア派とスンナ派のウラマーたちの間で討論会を催すべきだ」と続けた。

※訳注:サラフィー主義とは、イスラーム初期の純粋なイスラームの回復を目指すスンナ派の思想潮流の一つ。西洋に由来する近代思想との対抗・交流のなかで(主にエジプトで)発展したサラフィー主義と、偶像崇拝の徹底的排除を唱える(主にサウジアラビアで発展した)ワッハーブ主義とを同一視することはできないが、イランではしばしば、サラフィー主義が反シーア的なワッハーブ主義と同一視されて、非難の対象となっている。

 同師はまた、「イスラーム神学校は純粋なイスラームの守る番人である」とした上で、「イマーム〔・ホメイニー〕閣下はイスラーム神学の徒として世界中に変革をもたらした。我々もシーア派の真実を世界の人々に知らしめるべく努力しなければならない。こうしたことには、広範かつ国際的な取り組みが必要だ」と述べた。

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( 翻訳者:8410068 )
( 記事ID:29045 )