ブルサ県ニリュフェル市は、デミルジ村で児童図書館に転用されていた築700年のモスクについて、明け渡し決定がくだされたにも関わらず、いまだそれに応じていない。
市は年末までにはモスクを明け渡すと約束したが、これを実現させていないため、ワクフ局が行動に移った。このモスクを所有するワクフ局は、郡知事府に協力を求めたのだ。郡知事府はモスクの明け渡しのために、市に2月10日までの猶予を与えた。期限が守られなかった場合、明け渡しは警察によって強制的に行われる。
ザマン紙が2012年6月25日付の紙上で、「図書館に転用されたモスク、元の姿に戻る」という見出しで報じた、築700年のデミルジ村のモスクの悲しみは、ニリュフェル市の態度が原因でいまだ続いている。1989年デミルジ村がニリュフェル市に吸収されたため、市のものとなったモスクは、2011年に修復され、児童図書館となった。ブルサ県・ワクフ局のミュルセル・サル局長は、モスクを本来の姿に適したかたちで使用する目的で、2011年10月にモスクを市から引き継いだと述べ、「譲渡を受けた後、モスクの明け渡しを望んだ。市は同じ村にあるデミルジ・ハマムの修復をしたこと、図書館をそこへ移転させる計画であることを述べた。しかしこれまでのところ、まだモスクは空になっていない」と述べた。サル局長は、市が2012年12月31日まで時間が欲しいと言ったにも関わらず、まだモスクを明け渡していないことを引き合に出し、「我々も郡知事府に文書を書送り、モスクの明け渡しを求めました。そして市へは2月10日までの猶予が再び与えられました。後は法に従って行動するのみです」と話した。
ニリュフェル郡知事府からの情報によると、市には1月25日から延長された猶予期間が与えられているという。この間に明け渡しが行われなければ、モスクは警察により空にされ、ワクフ局へと引き渡される。ニリュフェル市のムスタファ・ボズベイ市長は、モスクを閉鎖し、文化センターにしたことはないと主張した。そして消滅の危機に瀕している歴史的建造物を、ブルサ県文化・自然遺産保護地域委員会の決定により修復し、状態の改善をはかったと訴え、次のように述べた:「保護者や生徒たちはこの図書館が明け渡されることで不便を強いられるでしょう。我々は出て行くか否かについて断言することはできません。引っ越しははっきりと決められたわけではありません。折り合いをつけることができれば、非常に良いのですが。我々は法律に基づいて行動したいと思います。15日の猶予期間の後、郡知事府が何を言おうとそれを行います。」
ちなみにトルコモスク・コーラン教室協会連盟(TCKKDF)は、この件に関してニリュフェル市に対し、刑事告訴の用意をしているという。
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( 翻訳者:大嶽真梨子 )
( 記事ID:29062 )