米大使館自爆テロ事件、3人逮捕
2013年02月02日付 Yeni Safak 紙


アンカラの米大使館への自爆テロ犯エジェヴィト・シャンルが使用したと見られるイルファン・Aの名で作られた偽 IDカードが見つかった。偽IDの主とこの偽IDを自爆テロ犯に渡した人物が拘束された。

アンカラの米大使館への自爆テロ事件の直後に現場へ駆けつけたアンカラ警察署チームは、周辺の警護を固め、大使館の前で精緻な作業を行った。メフメト・クルチラル警察長官とカドゥン・アイ・アンカラ警察署長が指揮した捜査の結果、容疑者の体に巻きつけられた6キロ相当のTNT型起爆スイッチ付爆発物が、ボタンを押すことで爆発したと判明した。

事件現場で口径7.65ミリの小銃が見つかり、警察チームはこの銃を根拠に極左反政府組織「革命人民解放党/戦線(DHKP/C)」による犯行だという見方を強めている。爆弾を体に巻きつけたためバラバラになった遺体を警察チームは調査し、顔のほくろや傷などから自爆テロ犯はエジェヴィト・シャンル氏だと断定した。

警察の調査で手榴弾の破片も見つかった。手榴弾のピンは抜かれておらず、TNT型爆弾の爆発により手榴弾も爆発したものと見られる。小銃や手榴弾はテロを阻止しようとする人物へ使用する目的で持ち込まれたと思われる。

■法医学機構、自爆テロ犯はエジェヴィト・シャンル氏と断定

アンカラ県による文書説明で、アンカラの米大使館へスタッフ・訪問客入口から偽IDを使い大使館内部へ入ろうとし、身に着けた爆弾を爆発させて自爆テロを行なった人物は、法医学機関のDNA鑑定により、極左反政府組織「革命人民解放党/戦線(DHKP/C)」のメンバー・エジェヴィト・シャンルであると断定した。

シャンルは、1973年生まれでオルドゥ県ギュルゲンテペ郡に籍があり、イスタンブル在住の人物のIDを使用、1997年にイスタンブルで警察や軍施設へ攻撃を指揮、その後刑務所へ収容、2003年に国外へ逃亡、いくつかの国で「革命人民解放党/戦線(DHKP/C)」の傘下で活動を続けたとされる。

■偽ID

警察の調査では、シャンルはドイツからギリシャの島々を渡り、イスタンブルへ密入国したと見られている。シャンルの体からイルファン・A氏の偽IDが見つかり、警察はイルファン・A氏とこの同氏のID写真を組織へ渡したとされる3人を事情聴取のため、連行した。

しかしイルファン・A氏は組織とは全く関係がないことが判明した。自爆テロ犯へ渡された偽IDは、2週間前のDHKP/Cへの捜査で逮捕されたD.Kが用意したものと見られている。

自爆テロ犯はイスタンブルで偽IDを受け取った後、アンカラに来た。警察は容疑者のアンカラでのつながりを見つけるため捜査を続けている。しかし今のところ容疑者とアンカラで行動をともにした見られる人物は浮上していない。事件現場の監視カメラや路上カメラには、容疑者が犯行を単独で行ったのが映っている。1,2日、アンカラで滞在していたと思われる犯人だが、現在までのところホテルの宿泊リストからは見つかっていない。

■運送業者のように振舞った

ハンガー・ストライキに加わっていたエジェヴィト・シャンルは、コルサコフ症候群を患っており、しかし近年は健康状態は回復していたという。

運送業者を装い、封筒を手にアンカラの米大使館を訪れた容疑者は、郵便物が届けられる2番入口で、窓ガラスを叩き手元の封筒を見せながらドアを開けるよう求めた。

警備員がドアを開け手荷物検査の機械が置かれた場所に入った容疑者は、警備が近づくやいなや爆弾を爆発させた。

■遺体は遺族の元へ

アンカラの米大使館入口を爆発させたエジェヴィト・シャンル容疑者の遺体は、法医学機構での捜査の後、親族へ引き渡された。遺体は埋葬するためオルドゥ県へ搬送されたと伝えられた。

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( 翻訳者:松永拓人 )
( 記事ID:29112 )