ロシアのカリーニングラード裁判所は、サイード・ヌルースィーの著書16冊が「過激」であることを理由に禁止の決定を行った。
ロシアでは、サイード・ヌルースィーの著作が続々と禁止になっている。近年、タタールスタン共和国、バシコルトスタン自治共和国で禁止となったものが、昨日、 ロシア西端カリーニングラードの高等裁判所により禁止となった。禁止となった著作は、「分離主義的かつ宗教間対立を扇動する要素」とされた。
今回、ヌルースィーの著作がカリーニングラードで禁止決定となったことには、別の刑事事件が布石となっている。
昨年ロシア治安機関は、テロ活動の容疑でエミール・アブイェブの自宅(カリーニングラード)を捜査し、サイード・ヌルースィーの著作14冊とパンフレット2冊を発見した。
専門家がこれらを音声学・心理学等の観点から検証した結果、下記判断が下された:
「没収したヌルースィーの著作を検証したところ、これらは複雑な形で人間の意識を無意識へ誘導する心理的道具であることが明らかとなった。全ての著作にお いて、イスラームが他宗教に優越し、他宗教と闘争すべしとする思想が述べられている。宗教間対立を煽る著作であり、ロシア国民の基本的自由を脅かすもので ある」。
ロシアでは、専門家が作成したこの報告書が一昨日判決の出た裁判で検察側からの証拠として提示された後、全著作の禁止判決が出た。
ロシア治安機関及び検察は、サイード・ヌルースィーの著作が「ヌルジュ」教団の指針となっているとみている。
2008年、ロシア連邦最高裁判所による採決により、「ヌルジュ」教団はテロ・分離主義組織リストに載せられた。
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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:29165 )