近年、トルコ国民の欧州連合(以下、EU)加盟に対する態度と期待は、消極的な方向に変化している。トルコ統計局(TÜİK)による2012年の生活満足度調査で、EU加盟に対する国民の態度と考えが測られた。調査参加者に対し、EU加盟に関する民意の傾向が問われた。
調査結果によると、トルコのEU加盟支持率は、2004~2012年の間で大きく減少した。加盟を支持すると答えた割合は、2004年の70.2%から2012年の45.4%と、8年間で約25%下落した。
EU加盟反対の割合は、2004年来最も高まっており、2004年の16.2%から2012年には31%まで上昇した。
一方、対EU関係にまつわる最近の情勢を受け、態度を明確にしない層の割合が高まった。「分からない」と答えた人は2004年には13.6%だったが2012 年には23.6%まで上昇している。
女性回答者の39.7%が加盟を支持、24.6%が反対、35.7%が分からないと回答している。男性回答者の51.3%は加盟支持、37%は加盟反対、11.1%が分からないと答えた。注目すべきは、男性のEU加盟反対の割合が過去8年で倍以上に増えていることである。
■EUの魅力は失われた
調査ではまた、トルコのEU加盟が個人の生活へどのような影響を及ぼすのか評価された。2004年には、トルコ国民の半分以上はEU加盟が良い影響を及ぼすと考えていたのに対し、2012年にこの割合は、大きくダウンした。
トルコのEU加盟により生活が好転すると考える人の割合は、この8年間で55.5%から35.2%まで後退し、過去最悪の水準にある。
国民の23.8%はEUに加盟しても生活が変わることはないと考え、18.7%は悪化するとみている。EUへ希望を持つ女性の割合は48.9%から30.6%へ後退。21.3%が加盟による生活の影響はないと考え、14.2%は生活が悪化すると考えている。
男性の場合は、加盟により生活が好転すると考える人の割合は、2004年は62.3%だったのが2012年には40%まで減少した。26.4%は生活への影響はないと考え、23.3%が悪化するとみている。
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( 翻訳者:山根卓朗 )
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