リゼ県イキズデレ渓谷の水力発電がもたらす自然破壊
2013年03月05日付 Milliyet 紙


自然保護区域に指定されたにもかかわらず水力発電所の電力生産が始まったリゼ県のイキズデレ渓谷では、渓谷の水が(発電所の)トンネルに引かれたために水位が下がっている。このため渓谷一帯では「自然の水」の危機が引き起こされた。

公正発展党(AKP)所属でイキズデレ市長のハサン・キョセオール氏は、先週この地域を視察に訪れたヴェイセル・エルオール林業治水相に経緯を説明した。

最新の情報によると、32の水力発電所の建設が計画されている78キロメートルにわたる渓谷で、今日までに4つの水力発電所で稼働が始まった。これらの発電所での電力の生産開始とともに、渓谷の水はダムのトンネルを通り、およそ6~8キロメートル下流で再び谷に戻されている。水力発電所のトンネルを通り再度渓谷に流された水は数キロメートル渓谷を流れたあと、別の発電所のトンネルに引かれ、また渓谷に流される。

■自然が破壊されてしまう

イキズデレ渓谷はかつて年間平均流量が毎秒27.6立方メートルであったが、渓谷の水が(発電所の)トンネルに引かれたあとの「自然水」の流量はわずか毎秒2.8立法メートルにまで減少し、周辺地域に恵みを与える渓谷は枯渇の危機に瀕している。
イキズデレの住民らが、渓谷に残ったわずかな量の水だけでは生態系が失われてしまうと反発する一方、ハサン・キョセオール市長もまた、1-2メガワットほどの小規模の水力発電プロジェクトが大きな害を及ぼしており、また渓谷に残される自然の水はあまりにも少なすぎると主張した。そして、「私たちは世界で一般的に認められる程度の水が残されることを求めています。この願いが届くと信じていますし、最後までこの自然は守ります」と話した

■流量は3割を越えなければならない

建築技術者グループの副会長でイキズデレ協会元会長のカデム・エクシ氏は、渓谷の自然水の量はもともと非常に少なかったと話し、その後の熱心な取り組みによって、流量は毎秒2,800リットルにまで戻されたと語った。エクシ氏は、渓谷の流量を(かつての)3割以上に戻さなければならないと話した。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:29429 )