トルコ統計機構(TÜİK)は、職種別の求人数と失業率を明らかにした。これによれば、ジャーナリズムと芸術を学んだ卒業生がトルコで仕事を見つける機会が最も少ない。
高等教育といわれる分野とそれにもとづいておこなわれる職業選択は、将来に失業問題に直面する危険性に直接影響する。
ジャーナリズム、情報学、芸術、輸送サービス、環境保護、製造・経営の諸分野(の卒業生)における失業率は平均を上回る一方、警備関連サービス、医療、法律、獣医学における失業率は平均以下となっている。
トルコ統計機構(TÜİK)のデータによれば、2012年時点における労働力人口のうち499万6千人が高等教育機関や、大学の卒業生である。かれらのうち50万3千人が失業しており、その失業率は10.1%となる。
卒業した(学問)分野についておこなわれた調査によれば、失業問題がもっとも大きかった分野はジャーナリズムと情報学である。「コミュニケーション時代」といわれているにも関わらず、この分野での高等教育機関の卒業生5人に1人以上が失業している状態である。ジャーナリズムと情報学の分野では、1万6千人の労働力人口に対し3千人が失業している。この分野は22.1%の失業率となり、高等教育における卒業分野の間でもっとも高い失業率として最初に挙げられる。
失業率の高い他の分野として芸術が挙げられる。労働力人口の中に高等教育を芸術関連分野で受けた14万3千人がいる。このうち3万人が仕事を探している。芸術関連分野の卒業生の間での失業率は21%の水準となっている。
ジャーナリズムと情報学と芸術の各分野を卒業した者の失業率は、高等教育機関・大学学部の卒業者の失業率10.1%の2倍を超えている。
輸送サービス、環境保護、製造・経営の各分野での失業率は17%であり、失業率が高いもうひとつの分野である。輸送サービスと環境保護の各分野(の卒業生)は、労働力人口のうち2万2千人がいるが、このうち4千人が失業している。製造・経営関連分野の労働力人口は9万2千人がいるが、このなかで1万6千人が求職中である。
高等教育機関・大学学部の卒業者における失業率は10.1%平均であり、他の分野は、ライフサイエンス(15.3%)、社会および個人サービス業(14.1%)、ビジネスとマネージメント(14%)、コンピューター(12.5%)、農業、林業、漁業(11.9%)、物理学(10.5%)、数学・統計学(10.4%)に順序づけられる。
■失業問題における幸運な分野
失業率が高等教育機関・大学学部の卒業生の平均を超えている諸分野と比べて、失業がほとんど問題とならない分野もある。
高等教育を受けた者の間で最も失業率が低い分野は警備関連サービスである。労働力人口の中に警備関連サービスに関する高等教育を受けた12万6千人がいる。かれらの中での失業者は千人前後である。治安警備関連サービスにおける失業率はわずかに1%である。失業率が警備関連サービスでこれほど低くなったもっとも大きな要因は警察官養成と兵役に関係する高等教育機関がこの中に含まれるからである。
医療は、失業率が大変低いもうひとつの分野である。労働力人口のうちこの分野(の卒業生)は、34万6千人である。医療に関連する高等教育機関の卒業生7千人が求職中である。医療教育分野での失業率は2.1%である。現在、公共及び民間部門の医療サービスは深刻な人手不足(の状況)である。
法律を学んだ者も失業(問題)に関し他の分野と比べて幸運なグループである。労働力人口には法律を学んだ11万3千人がいる。これらのうち4千人に失業問題がある。失業者の割合は3.4%である。
失業について、別の幸運な分野は獣医学である。労働力人口のうち5万4千人が獣医学を卒業しており、そのうち2千人が求職中である。この分野の失業率は4.3%である。
高等教育機関・大学学部の卒業生間の失業率において、平均10.1%を下回っている他の分野は、教員養成・教育学(6.7%)、人文科学(7.3%)、工学(8.6%)、社会科学・行動科学(9.3%)、建築・建設(9.4%)である。
最新の卒業学校と卒業分野別の労働力状況に関するデータは以下の通り:
失業者数 失業率
ジャーナリズムと情報学 3,000人 22.1%
芸術学 30,000人 21%
製造業と加工業 16,000人 17%
輸送サービスと環境保護 4,000人 17%
ライフサイエンス 9,000人 15.3%
社会・個人サービス業 18,000人 14.1%
ビジネス・経営 189,000人 14%
コンピューター 14,000人 12.5%
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:29466 )