大統領「パイプラインは核とは違う、平和をもたらすものだ」
2013年03月12日付 Jam-e Jam 紙
【同紙1面・4面】永きに渡る関係者の尽力と紆余曲折の末、昨日、イラン・パキスタンの両大統領は国境0地点において、50億ドル(約4,750億円)をかけた平和パイプライン建設の開始を宣言した。
複数の通信社によれば、アメリカの反対や再三にわたる妨害にも拘らず、マフムード・アフマディーネジャード大統領とアースィフ・アリー・ザルダーリー大統領は昨日、チャーバハールの国境0メートル地点を訪れ、イランのパキスタン向けガス輸送パイプライン着工の鍬入れ式を行った。
平和パイプラインは当初、イラン産ガスをパキスタンとインドへ輸送することになっていたが、インドが様々な口実をつけた末に3ヶ国パイプライン計画から離脱し、イランとパキスタン2ヶ国間のみでパイプライン協定を締結した。
この協定は2年前のホルダード月〔2010年5月下旬~6月中旬〕にイラン・パキスタン両大統領が立ち会った仮調印の後、日を置かずにトルコで行政協定に 署名した。80億ドル規模の同協定の発効は、最終的には、90年のホルダード月〔2011年5月下旬~6月中旬〕にイラン石油国営公社の取締役会で承認され、実施準備に開始された。
同協定に基づき、93年のファルヴァルディーン月〔2014年3月下旬〕から25年間に渡って年間78億立方メートルのイラン産天然ガスがパキスタンへ輸出される。
石油相次官は、近隣10カ国の高官らの列席の下、イランのパキスタン向けガス輸送パイプラインの(パキスタン側での)正式な着工式が行われたことに触れ、サウスパールス州からパキスタン中心部を結ぶこのパイプライン建設における投資総額は50億ドル(約4,750億円)にのぼると発表し、こう述べた。
来年末までには、イラン産ガスがパキスタンへ輸送される見通しである。
また、ジャヴァード・オウジー同次官はメフル通信のインタビューに応じ、「着工式典には、サウジアラビア・アラブ首長国連邦・カタール・クウェート・トルクメニスタン・オマーン・アフガニスタン等の10の近隣諸国から、特別代表や石油エネルギー担当相、高官らが出席した」と付け加えた。
ガス国営公社取締役は、イラン・パキスタンの受託業者の共同作業によって、パキスタン側でも42インチ型パイプラインの建設が開始されると強調し、「両国国境からパキスタン領内約70~80キロまでの区間で42インチ型パイプラインが敷設される予定だ」と述べた。
同取締役はアサルーイェ〔ペルシア湾岸に位置する世界有数のガス田〕からパキスタン各地へのパイプライン敷設の第一段階における投資総額は、約50億ドル(約4,750億円)にのぼると述べ、「パキスタン側のガスパイプライン建設のため、約20億ドル(約1,900億円)が財源から支出される」と付け加えた。また、同取締役は、イランがパキスタン側でのガスパイプライン建設のために約5億ドル(約475億円)規模の投資を行うと指摘した上で、「パキスタン側のパイプラインはイラン・パキスタンの受託企業が実際に共同作業を行って建設される」と明らかにした。
■イラン大統領「イランからパキスタンへのガス輸送は平和をもたらすものである」
アフマディーネジャード大統領は、いかなる外国勢力もイラン・パキスタン両国の関係を損なうことはできないと強調した上で、次のように述べた。
イランからパキスタンのガス輸送は平和をもたらし、地域の安全保障を担保するものだ。
シャーナー通信によれば、マフムード・アフマディーネジャード大統領は、イランのパキスタン向けガス輸送パイプラインの着工を祝う式典の開会の辞で次のように語った。
一部の国々は、様々な言いがかりをつけて他国の問題に干渉しようとするが、私は彼らに言いたい。「ガスパイプラインは、核エネルギーとは違う。このパイプラインは地域の全ての国々に平和と安全をもたらすものだ」。
■ザルダーリー大統領「イランとパキスタンは相互の開発と福祉に協力していく」
パキスタン大統領は同式典で、次のように述べた。
イランとパキスタンは、地域の他の国々とともに、互いの開発と福祉に協力していくことができるにちがいない。
アースィフ・アリー・ザルダーリー大統領は、イランのパキスタン向けガス輸送パイプラインの敷設を同国の政府・国民にとっての歴史的瞬間であるとして、次のように述べた。
パキスタン向けガス輸送パイプラインは、これまで以上に両国間の関係をより深いものとする生命線である。イランがこれまでに遂げた進歩は、極めて重要で目を見張るものであり、今日世界はイランに敬意を払わざるを得ない。
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( 翻訳者:8410068 )
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