次は、PKKゲリラの「国外撤退」―そのプロセスは?
2013年03月23日付 Milliyet 紙
トルコ軍(TSK)は撤退プロセスを監視するのみで、軍事作戦等は行わない。1500名の武装構成員が北イラクやシリアへ撤退予定である。犯罪行為を犯していない組織関係者には、投降すれば(逮捕・拘束)などの措置はとられない。
アブドゥッラー・オジャランが、昨日(22日)ディヤルバクルで行った撤退宣言を受け、世間の目は(PKKの)トルコ国内にいる武装構成員らに向けられた。
組織には現在も1500名近くの武装ゲリラが存在する。また同様に、カンディルに約1500名、イラク北部の別のキャンプには2000名以上の構成員がいると予想されている。
参謀総長のネジデト・オゼル大将と軍部司令官らは、先月マラティヤでの視察訪問中に詳細を議論し、撤退に備えた事前措置が上層部に上げられることを明らかにしている。
■安全な道
撤退プロセスがどのようになるか、様々なシナリオが考えられている。
トルコ軍がPKKゲリラの撤退プロセスにおいて「安全な撤退路」をつくるとする主張については、実現の可能性は低いとされている。
ゲリラ組織のイラク北部の各キャンプでは、往路を辿って撤退するという経路が、TSKが「黙認する」経路へ変更もされることも想定されている。あるいは、軍隊基地・政府関連機関などに向けての移動が確認された場合、軍事行動に移れるよう待機しているともいわれている。
特に、TSK隊員らが無人偵察機を用いて撤退プロセスを逐一監視し、隊員が攻撃の恐れを感知した場合には、最寄りの部隊が事態に応じるといった事前措置が講じられることが明らかにされている。
ゲリラ組織の構成員が国境外に出るまでは、「管理下での追跡」がなされるのが最も適当な措置であろうと考えられている。
■「指示に背くグループ」
TSKは、撤退プロセス上の最大の懸念事項は、ディヤルバクルのバーラルでのオジャランの声明に反感をもつPKKゲリラが、オジャランやカンディルの指示に背いた行動をとる可能性があることだとしている。
しかしこの可能性は非常に低いとされている。
TBMM対テロ委員会の報告書にも記述された、PKKに関する様々な研究によれば、PKK構成員の54%を14~25歳、34%を26~34歳、12%を35~38歳のグループが占めている。
トルコ国内における構成員プロフィールも、これに準ずるとされている。
その前提で、犯罪行為を犯していない組織構成員と18歳以下の組織構成員は、国境を出ず、日常生活に戻る可能性も残っている。
ただし、現状、組織がこの方針を歓迎せず、全武装ゲリラが国境外へ撤退することを選ぶとも言われている。
また同様に、イラク北部の犯罪行為を犯していない構成員らについても、投降投降すれば、その人物についての(逮捕・拘束の)措置はとられないことも見込まれている。
■イムラル島との連絡手段
撤退の詳細については、オジャランからPKKへ指示が与えられることが想定されている。
オジャランは特に、組織内の様々な階層によるボイコット行動を懸念しており、また、組織には、集団でまとまって国境外の安全な地点に撤退する指示を伝えるといわれている。
これらのやりとりは、MİT、あるいはBDPが担う予定だ。
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:29547 )