シャンルウルファ県アクチャカレ郡のスレイマンシャー居住区で昨日、1人の女児が死亡した火災の抗議活動を行ったシリア人らと保安部隊の間で騒動が勃発し、3時間半後に鎮静された。この騒動に関わったことが確認された600人の避難民が国境外に追放された。
内戦の続く母国を逃れトルコに亡命した3万5000人以上のシリア人が避難しているアクチャカレ郡のスレイマンシャー居住区第一地区で昨日朝、回線ショートによる火災が発生した。この火災によりテントにいた7歳のスドラ・エルハムトさんが死亡、2人の姉が負傷した。テント村では以前に発生した火災でも大半を子どもが占める6人が死亡しており、居住するシリア人難民達は抗議のため行政のビル前でデモを始めた。すぐに群衆となった避難民らは、行政ビルや職員らに投石した。シャンルウルファから兵士や警察がテント村に応援として派遣され、保安部隊の干渉により騒動は3時間半で鎮静化した。騒動では撮影した新聞記者への暴行、二輪車の破損、行政ビルの破壊、3つのテントへの放火が起き、多くの軽傷者が出ており、鎮静後に検証が開始された。
■600人が国外追放
騒動が鎮静されると、緊迫した状況の中保安部隊によって記録されたビデオ映像の検証が始まった。慎重に検証された映像から、騒動を拡大し、投石をしたり、テント村に被害を及ぼした人物が一人一人確認された。その後、警察と兵士らは、身元が確認された人々を居住しているテントから一人一人外に出し、20人から30人のグループごとに複数のバスに乗せ、国境外に追放するためにアクチャカレ国境門に連行した。
夜に始まり依然継続している画像記録の検証作業で、今日(3月28日)昼までに、騒動に加わったとされるシリア人600人が国境外に追放されたとわかった。関係者によると、画像検証が続けられておりこの数字はさらに増加するという。
■治安対策は最高レベル
昨日緊張の走ったアクチャカレ郡スレイマンシャー居住区では、今も治安対策が続けられている。保安部隊はテント村の街区と路地に対してバリケードを設置、避難民らが路地の外に出ることを禁止し、再び騒動を起さないようにしている。
■シャンルウルファに8万9,457人のシリア人
2年以上内戦の続くシリアからは、何千人もの人がトルコへ逃れて難民となっている。親類の元に身を寄せたり、自己資金で新しい生活を始めたりする者のほか、災害緊急時対策庁のデータによると、18万8421人のシリア人がテント村に居住している。トルコで難民となっている8万9457人のシリア人が、シャンルウルファ県のアクチャカレ郡とジェイランプナル郡のテント村に、ハラン郡ではコンテナ村に居住している。
■火災で16人が死亡
テント村ではこれまでに発生した火災で16人が亡くなった。ジェイランプナルにあるテルハムト・テント村では、昨年12月24日と今年1月15日に起きた火災で9人が亡くなった。
また、アクチャカレ郡のシュレイマンシャー居住区のテントでは、1月8日、2月12日、そして昨日起こった火災で7人の命が奪われた。
■シリア人は頻繁に暴動を起こしている
一方、シャンルウルファ県の3郡に滞在するシリア人達は、時折状況が劣悪であることや暖を取れないこと、火災等を訴えてデモを行い、当局関係者やテント村に被害を及ぼしている。難民同士の間でもしばしば喧嘩を起こしている。最近では、先月の2月27日にハランのコンテナ村に入居できなかったことを訴えたシリア人らが、コンテナに居住する親類の加担も得て暴動を起こし、35人が負傷している。
今日まででシャンルウルファの3避難拠点で騒動を起こした800人近くのシリア人が、国外追放されていたことがわかった。
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( 翻訳者:吉岡春菜 )
( 記事ID:29566 )