「浮かぶ毒船」解体のため、トルコへ?―アスベスト問題
2013年04月07日付 Hurriyet 紙


断熱材などに使用されるアスベストは、癌の原因とされ、世界中で禁止されている。そのアスベストを使用している古い大型客船が、解体のためトルコに向けて出港したといわれている。

この件で、「ロバン・デ・ボワ(ロビン・フッド)」という名の環境団体がつぎのように説明を行った。

まず、米国の観光会社ロイヤル・カリビアン・クルーズライン(RCCL)のスペインにおける関連会社、プルマントル・クルーズ社は同社保有の「アトランティック・スター号」を、ヨーロッパで適用されている法令に基づき解体するため、フランスの造船会社STXに依頼をした。これにより「アトランティック・スター号」は、新規の船体注文と引き換えに、STX社に戻されることとなった。

2012年、STX社に戻ってきた船(船長240メートル)は、フランス国内の解体予定地で、再度、STX社ノルウェー支部であるスカンディノル社に送られた。

しかしその後、船は、一定の期間を経た後も、スカンディノル社からベリンダ造船コーポレーション(本社マーシャル諸島)にたらいまわしにされ、最終的に無許可状態でトルコで解体するためにフランスを出港したという。

メディアに対し、ロバン・デ・ボワのスポークスマンのクリスティン・ボサード氏は、「(EU加盟国である)フランス、スペイン、マルタは、「有害物質根絶」のための合意を批准していながら、これに反し、毒性の高い船を無許可で外国に押し付けた」と話した。

なお、フランス最大の労働組合CGTが、この有害な船をすぐさまフランスに戻すようフランス政府に公式に申し入れたことが明らかになっている。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:29624 )