イラン国営ラジオ「PKKはクルド人のイスラム性を消す」
2013年04月27日付 Radikal 紙


イラン国営ラジオは、西洋諸国がイスラムの信仰システムをクルド地域から消そうとしており、トルコもシリア政治における敗北の挽回に努めていると述べた。

テヘラン・ラジオで、トルコにおける「解決プロセス」とPKKの3月8日以降の武装組織の国外撤退の決定に関する解説が放送された。解説では、ムラト・カラユランがカンディル(PKK本部)で行った記者会見の最後に、武装解除が含まれる3段階の解決策に言及し、アメリカ、ロシア、EU諸国に対し問題解決のための支援を要請したことが述べられた。解説では、PKKが、民主的連合主義および民主的主権と、イラン、イラク、トルコ、シリア領にまたがるクルド地域の自治とその後の統一の計画を継続しているとされた一方で、次のように述べられた。「PKKは、国家社会主義的で民族ナショナリズム的な、世俗的イデオロギーを持っている。このため、アメリカやEUから支持されている。PKK当局者は、以前にも自分たちを支持するならばアメリカの大中東構想を支持すると表明していた。PKK・公正発展党(AKP)間の交渉においては、アメリカとEUが積極的役割を演じた。西洋諸国はPKKをテロ組織リストに載せる一方で、トルコ政府にPKKとの交渉を強いていた。トルコのレジェプ・タイイプ・エルドアン首相の、PKKテロ組織の人員が武装を放棄し撤退することに関する声明は無駄に終わった。PKKは解放と民主化に言及しているが、クルド地域で自分たち以外の組織が成り立つことを認めず、他の反対勢力と、特に反PKKのクルド人を排除した。アブドゥッラー・オジャランも「クルド人民のリーダー」を宣言して、他のクルド人のリーダーたちなど知らないと示している。」

■「AKPはシリアでの敗北を挽回しようとしている」

解説では、PKKがアメリカの北イラクにおける緊密な同盟者であるマスード・バルザーニーを称えている北イラク・クルド自治政府のコントロール下の地域において、西洋諸国が独占を敷いているとされ、次のような主張が述べられた。「クルディスタン社会連合(KCK)が『西クルディスタン・ロジョヴァ』と呼ぶ地域で、トルコ、カタール、サウジアラビア王国の支持を受けるテロ組織『自由シリア軍』は、バルザーニー政権におけるクルド評議会とPKKの(シリアにおける)関連組織である民主統一党(PYD)の協力と同盟によって、シリア軍に対して主権を取り戻した。PKKは、4地域に言及して、中東地域の国々を侵略者で植民地主義者の政府と呼び、「大クルディスタン」の夢を描いている。この未熟な夢は、中東地域の諸国家と国民に自由と民主主義、兄弟性をもたらすことができないだけでなく、クルド人とアラブ人、アゼルバイジャン人とクルド人、トルコ人とクルド人、クルド人とペルシャ人、イスラム主義クルド人と世俗的で行き過ぎた民族主義のクルド人の間の論争と衝突を生み出し、アメリカと真の植民地主義者で帝国主義者である西洋諸国とシオニストの体制のために中東を分割する計画を議題に上げることになるだろう。アメリカ・EUとNATOは、中東地域の国々を分割し制御するため、クルド人たちの上で汚い劇を始めさせた。PKKのような民族ナショナリズム的で左派的な言説をもつグループを利用しようとしている。アメリカと西洋の侵略者・帝国主義者の同盟はイスラムの結束を妨げ、中東地域の国民に民族主義と世俗主義を強要しようとしている。
解説では最後に、西洋諸国がトルコの約2000万のムスリムクルド民衆にPKKを強要し、イスラムの信仰システムをクルド地域から消し去り、中東地域における反帝国主義と反シオニストの抵抗運動を駆逐しようとしていると主張された。解説では、トルコ政府は、西洋の帝国主義列強を宥め、シリア政策に関する敗北を挽回するため、一方で言葉によってパレスチナ民衆のシオニスト・イスラエル政治体制との緊張関係を正常化させたとされ、次のように続けられた。
「トルコ政府は、他方でPKKをシリア中央政府と中東地域の諸国家に対向するものとして使おうとしている。結果的に、PKKの関連組織である民主社会会議(DTK)のメンバーであるアイセル・トゥールク氏は、PKK・PYDがシリアで戦争を始めさせ、近いうちに(イランの)クルディスタン自由生命党(PEJAK)とPKKがイランに対し戦争をしかけると主張している。AKP政府はさらにPKKの支持によってトルコでエルドアン首相の首相制システムを創りあげようとしている。結果的にアブドゥッラー・オジャランは、トルコで首相制のシステムとエルドアンが首相であることを支持していると表明した。」

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:29780 )