国境住民の隣国への燃料販売、合法化:近々試験運用へ
2013年05月02日付 Jam-e Jam 紙

5人以下の世帯では月500リットルまで、5人以上は月1000リットルまで

【イラン部:ファーテメ・モラードザーデ】昨年度末〔2013年3月初中旬〕に閣議で承認された、家計補助を目的に隣国に販売するための燃料を国境地帯に住む住民に譲渡・割り当てる計画が、現在、準備段階を終えて、近々スィースターン・バルーチェスターン州で試験的に実施される見込みとなった。

 国内の燃料価格が低く抑えられる一方で、国境の外では燃料価格が〔相対的に〕高いことが、近年国境地帯の町で〔燃料の〕密輸が横行する原因となっていた。

 国境警察のホセイン・ゾルファガーリー司令官によれば、91年の11ヶ月間〔2012年3月〜2013年2月〕だけで、取締り作戦の実施によって約2800万リットルの密輸燃料が発見・押収された。汚染地域一掃計画がペルシア湾地域およびスィースターン・バルーチェスターン州において実施され、自宅からパイプを沿岸に向けて敷設し燃料を密輸していた者たちが特定・逮捕されたという。

 国境警察による監視・取り締まりの強化と一掃計画の実施によって、燃料の密輸は激減したとはいえ、いまだに行われているのが現状だ。その原因は、一方で燃料の内外価格差が極めて大きく、他方で多くの国境住民、特に農村地区の住民が失業と低収入にあえいでいることにある。

 数日前、ホルモズガーン州治安司令部刑事警察長官のセイエド・ハサン・アスラヒー大佐は、88万リットルもの密輸燃料が発見され、同州では今年のファルヴァルディーン月〔3月21日~4月20日〕の発見量が昨年同時期に比べ427パーセント増加したことを明らかにした。同氏はその上で、「この作戦の過程で、密輸業者らが使っていた荷物輸送用の大型ボート1隻、タンクローリー15台、トラック61台、バン・乗用車106台、オートバイ9台も差し押さえられた。またこの間、171件の燃料密輸事件が立件、165名が逮捕されて、司法当局に引き渡された」と述べた。

 国境住民への燃料割り当て計画により、今や燃料の販売は法律に則って行われることになる。国境から20キロ圏内に住む全ての村落住民は、国益を害し、さらには自ら不幸な結果を招く可能性のある密輸に手を染めるかわりに、政府の定めた一定の価格で燃料を買い、隣国の流通価格で販売することができるようになったのである。

燃料を合法的に販売

 スィースターン・バルーチェスターン州の治安・社会・政治問題担当副知事は国境住民による隣国への合法的な燃料販売計画について、本紙の取材に「この計画、および商品・外貨密輸対策本部と石油公社の間で交わされた合意によって、5人以下の各世帯には毎月500リットル、5人以上の各世帯には毎月1000リットルの燃料を割り当てることが決まった」と述べた。

 ラジャブアリー・シェイフザーデ氏はこの件について、さらに

国境住民はこの割り当てを、州委員会と商品・外貨密輸対策本部とが合意した、販売相手国の市場価格よりも約2〜3割低い取引価格で政府から買い取り、それを自由価格で隣国に売ることができる。

例えば、現在アフガニスタンやパキスタンでは軽油1リットルは約2400~2600トマーン〔公定レートで約192円~約232円〕だが、政府はこの燃料をこれらの国々に売ることを目的に、約2000トマーン〔約160円〕で国境住民に売る用意がある。これは軽油の密輸を防止するとともに、それを通じて国境住民に働き口を創出するためである。

と述べている。

〔…〕

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( 翻訳者:8410068 )
( 記事ID:29860 )