シリア国境でシリア側から砲弾、トルコ側警官死亡
2013年05月03日付 Yeni Safak 紙
以前もシリアによる弾道ミサイルの標的となったシャンルウルファのアクチャカレ郡で、今回も国境に緊張が走った。国境門を通過しようとした一部のシリア人たちに通過許可が下りなかったことから騒動が起きたのだ。シリア側から発砲された銃弾により、その場で12人が負傷。深手を負った警察官のフェルハト・アヴジュ氏が殉職した。
■地域に入り込み混乱を引き起こす
混乱の引き金は、アクチャカレ国境沿いのシリアの都市、テル・アブヤドに以前から展開していたシャビーハ(政府系民兵)だということが分かった。6か月前、シリアのテル・アブヤド市で起きた一連の衝突は、(トルコの)シャンルウルファ県アクチャカレ郡に着弾した弾道ミサイルが原因だった。この事件により市民5人の命が失われ、後にこの地域に配備された榴弾砲によってシリアの幾つかの地点が攻撃を受けた。その後、アサド政府軍は、反体制派の反撃に遭い撤退したが、地域を手中に収めたトルクメン部族連合はラッカに移動した。これを見て再び地域に展開しようとしたアサド軍は、シャビーハとしてテル・アブヤドに入り込み、事件を起こしていったのだ。
地元筋から入手された情報によると、この2カ月の間にテル・アブヤドへ侵入したシャビーハたちは街の平和を破壊した。トルコのアクチャカレで生活していたシリア人たちは、国境向かいの暴れ者を初めて見たと述べる。一方、トルコへ入国しようとしたシリア人たちは、通過しようとしたアクチャカレ国境門で許可が与えられなかったために、最初は石で、そして武器で攻撃したことが分かった。
■警察官1人が深手
国境門の通過が許可されなかった多くのシリア人は、税関の警備職員に攻撃を加えた。シリア人たちが税関の門に停められていた何台かの車に発砲すると、事件現場に多くの警備職員が出動した。消防隊の消火活動もシリア人たちによって妨害された。そして、シリア側から発砲された銃弾を受けたことで、警察官2名と軍人1名、そして9人の民間人の計12人が負傷した。負傷者はアクチャカレ国立病院で応急処置を受けた後に、救急車でシャンルウルファに送られた。しかし深手を負った警官のフェルハト・アヴジュ氏はあらゆる手が尽くされたが、救われなかった。
■警官の生家に、悲しみが訪れる
犠牲になったフェルハト・アヴジュ氏のガズィアンテプ県イスラヒエ市の自宅は悲しみに包まれている。事件を聞いた親戚らは涙を流し、倒れこんだ人もいた。警官は既婚者で、3歳になる子供がいるという。
■パスポートなしに通過しようとした
アクチャカレのアブドゥルハキム・アイハン郡長は、シリアとの国境で発生した事件についてこう語る。
「およそ1000人のシリア人がアクチャカレ国境門からパスポートを携帯せずに入国しようとしたが、警備部隊がこの状況を見過ごさなかった。警備部隊は集団を送り返そうとしたが、集団の一部が門に向けて投石を始めた。緩衝地帯における仮兵舎が燃やされ、我々はこれを消火した。事件が終息したと判断し撤退したが、市役所に戻った後に、彼らが無差別に発砲を始めたのを見た。」
■民間人4が身元不明
シャンルウルファ県のエルドアン・ドゥラン保健局長は、事件で12名が負傷したと明らかにした。ドゥラン局長は、衝突による負傷者の内、深手を負った2名の警官がシャンルウルファへ搬送されたことを公表した。
「7名が発砲によって、5名が混乱の中で負傷した。銃器による負傷者の中で、軍人1名と警官のフェルハト・アヴジュ氏、メフメト・イェネンジ氏が確認されている。負傷した民間人4名の身元はまだ確定できていない」と述べた。ドゥラン氏はフェルハト・アヴジュ氏がシャンルウルファ・メフメト・アキフ・イナン教育研究病院で手術を受けたことを公表した。あらゆる手が尽くされたにもかかわらず、アヴジュ氏は命が救われることはなかった。
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( 翻訳者:齋藤洋輔 )
( 記事ID:29878 )