イラン、ヨーロッパ向け天然ガス輸出のトランジットでトルコと合意(上)
2013年05月16日付 Jam-e Jam 紙
輸送量は年間20億立方メートルで交渉中
イラン・トルコ両国の当局者は、ヨーロッパの需要国に向けてイラン産天然ガスを輸出する際のトランジットをめぐって合意し、双方による価格交渉も最終段階に入った。トランジットの規模は年間20億立法メートル。
メフル通信によれば、アメリカは数年前から現在に至るまで、
ナブッコ・パイプラインや
アナトリア縦断パイプラインといった非経済的な計画を支援することで、ヨーロッパ諸国におけるイラン産ガスの参入を政治的に排除しようとしてきた。
こうしたことから、アゼルバイジャン共和国やイラク・クルディスタン自治区は過去数年間にわたって何度も、〔ヨーロッパ諸国から〕イラン産ガスを遠ざけるべく、アメリカの支援を受けてきた。しかしこれらの国々も、EUにおけるアメリカの同盟国の需要を長期間にわたって満たすだけの十分な量のガスを、確実に確保することはできずにいる。
そのため、一部のヨーロッパ諸国は一方でロシアに対するガスの依存を減らすため、また他方でオランダやノルウェー、ドイツといったヨーロッパ内の一部のガス産出国の生産量低下〔を補う〕ために、イランからの天然ガスの購入に向けた交渉を水面下で開始していた。
イランもヨーロッパのガス市場への参入に向けて、厳しい制裁の下、これまでに「
イスラーム・パイプライン」と「トルコ・パイプライン」の2本のルートを策定し、このルート上の国々と交渉を開始していた。そしてこうした交渉の結果、2年前トルコ政府は外国向けイラン産天然ガスのトランジットを許可した。
〔…〕
ジャヴァード・オウジー氏は、「これまでの交渉に従い、イランはヨーロッパの需要国への輸出のために、自国のガスを国境地点でトルコ側に引き渡すことになるだろう」と明かした上で、「このガスはトルコ領内を経由してヨーロッパの需要国に輸送される」と述べた。石油省次官を務める同氏はまた、トルコを経由して輸送される当面のガスの量について、「今のところ、年間輸送量を20億立法メートルとすることで、交渉が行われている」と説明した。
この当局者は、イランにはヨーロッパに輸出するだけの十分なガスがあるのかとの質問への回答の中で、「国営石油公社の計画では、今年サウスパールス・ガス田開発の新たな段階が軌道に乗る手筈となっており、もしそうなれば、〔ヨーロッパ向けに〕輸出・トランジットするための余剰のガスが確保されるだろう」と指摘した。
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( 翻訳者:8410068 )
( 記事ID:30012 )