イスタン交差点の外貨トレードが熱い:ドル売り、加速か?
2013年05月15日付 Hamshahri 紙


【ハムシャフリー・オンライン:経済班 モハンマド・アドリー】
[テヘラン中心部に位置する]フェルドゥスィー広場[※1]から少し南へ下ったところ、[フェルドゥースィー通りと]マヌーチェフル通りが交差するところ[※2]では、熱い取引が交わされている。

※訳注1:フェルドゥスィー広場沿いには、店を構えた正規の両替商が軒を連ねている。また、ドルの交換や取引を行おうと路上に立ち、通行人に声をかける男たちも多い。
※訳注2:本来の「イスタンブール交差点」は、これよりももう少し南に下ったところ。なお、同交差点の付近には中央銀行もある。


■路上取引で先行するドル売り

昨日は、イスタンブール交差点に数百人が集まり、外貨トレーダーらを中心に、即席外貨取引市場が出来上がっていた。数人の若いトレーダーたちがお立ち台に立ち、みなを見下ろしながら、順繰りに主導しながら取引を行っていく。彼らのひときわ高い声はマイクなしでもよく響き、彼らのテンポの良い掛け声で取引は一層熱を帯びていく。
男たちはいずれも2台の携帯電話を手にして、ひっきりなしにまくしたてている。

市場関係者は、外貨トレーダーらや両替商によるこのようなドル売りの加速を、彼らがドル安をいち早く予測しているためと見ている。トレーダーたちは、1ドル3万4,850リヤールでドルを売る。一方、イスタンブール交差点からほんの数歩、通りを上った両替商の店頭では、1ドル(売値)=3万5000リヤールとの表示が掲げられている[※3]。

※訳注3:1ヶ月ほど前の「自由レート」は、1ドル=約3万6000リヤールであった。なお、現在、イランでは主に「公定レート」「取引レート」「自由レート」の3つのレートが存在する。

■中央銀行の発表も影響か?:外貨供給増加、先物金貨の期日前倒し

昨日もドル売り傾向はとまらず、取引終了時には、1ドル=3万4000リヤールまで下落した。中央銀行マフムード・バフマニー総裁が外貨供給を増やすと発表したことも、ドル売りの加速に影響を与えたのだろう。また、同総裁は、中央銀行は[「自由の春」]金貨の先物取引に対し、取引期日以前に金貨を引き渡す用意があるとも述べた。

昨日、中央銀行同総裁は、閣議終了後の記者会見で、[「自由の春」]金貨の先物取引について、取引期日以前の引き渡しを発表し、こう述べた。

我々は、先物の金貨を[契約上の]取引期日より4か月早く取引することを決定した。外貨市場は、今年初めから小幅な値動きのみにとどまり、取引が加熱することはほとんどなく過ぎてきた。しかし、先週からドル価格の下落が始まり、投資家らの間でも懸念がささやかれるようになった。このため多くの両替商らは方針転換を決めたようだ。彼らの市場の行方に対する分析は、ドル安との見方が根強いようで、一層のドル売り傾向が進むとみられる。


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( 翻訳者:8400001 )
( 記事ID:30024 )