オルタチ村とマフレ平原の住人たちと軍警察との間で衝突が起こった。証言によると、PKK(クルディスタン労働者党、非合法組織)が拠点とした地域における強制捜査の間に、その実施地域へとBDP(平和民主党)所属のハルン・エルクシュ、リジェ郡知事がBDPの党員グループと共にやって来た。エルクシュ郡知事は、指揮官たちと話し、「麻薬を返せ、さもなければ、衝突が起きるぞ」と言った。この時から事件は始まった。オルタチ村とヤラザ村の間に集まった群衆が軍警察に抵抗し、強制捜査を妨害しようとした。軍警察は催涙ガスを発射して介入した。銃声も聞かれたこの衝突で、3人の治安部隊隊員が負傷した。ある高官は、作戦の間に起こったことを「朝、作戦が始まってすぐに、BDP所属の郡知事が民衆を扇動するために、オルタチ村へやって来た。郡知事に、村人たちが状況を知らせると、BDPのハルン・エルクシュ郡知事は軍警察の隊員たちに向かい、“手元にある麻薬物質を返せ、さもなければ衝突が起きるぞ”と言って脅した。無論軍警察は拒否すると、投石が始まった」と説明した。
ディヤルバクルのムスタファ・トプラク県知事は、レジェプ・ギュヴェン県警察署長と、県郡警察副司令官のエルハン・ジャン大佐と共に、リジェ郡やコジャキョイ郡、ハズロ郡に属する村々で今日行われた広範囲にわたる麻薬作戦に関して記者会見を行った。トプラク知事はディヤルバクル県リジェ郡に属しているオルタチ村、ヤラザ村、バーラン村や、コジャキョイ郡に属するギョゼバシュ村とハズロ郡に属するチトリバフチェ村の間の地域で作戦が行われていることを公表し、「地域における麻薬の製造、売買、非合法な大麻の栽培を手掛けていた人物たちが手に入れた麻薬を土地に保管しているという情報を調査し、特定された地域の犯罪や犯罪の因子を取り除き、麻薬から得られる収入源を根絶することを目的に、作戦は実行された」と述べた。
■作戦を妨害しようとして、兵士3人が負傷
トプラク知事は、作戦地帯に入ろうとしたあるグループが、作戦を妨害しようとしたと明かし、「周辺の様々な郡からいくつかのグループが、作戦を断念させる目的で作戦地帯に入ろうとしていたことが確認されていた。この200人程のグループは道を遮断して、治安部隊を妨害しようとし、投石や花火による攻撃を行った。その結果、治安部隊の隊員3人が手や顔に軽傷を負った」と述べた。
■作戦にMİT(国家諜報機構)や軍警察、警察の53チームが参加
トプラク知事は、作戦が去年11月にリジェ郡ドゥル駐屯地になされた攻撃で犠牲になったシュルナク出身の兵士アデム・オデミシュさんの名のもとに行われたことを強調した。作戦に参加した治安部隊の数についても報告したトプラク知事は、「軍警察の殉職兵士アデム・オデミシュ作戦には、軍警察特別機動チーム10チーム、警察特別機動チーム4チーム、軍警察特殊チーム7チーム、軍警察治安特殊チーム1チーム、臨時村落警備チーム14チーム、混成チーム5チーム、麻薬犬チーム4チーム、地雷捜査犬チーム1チーム、爆発物捜査犬チーム1チーム、探知犬チーム1チーム、コブラ装甲車14台、軍警察機械化特殊チーム1チーム、司法警察捜査班6班、現場調査班3 班、密輸・組織犯罪対策局員18人、諜報担当局員9人が導入された。特に森林地帯では(麻薬が)6万1000平方メートルほど新たに栽培されているとの情報を得たため、県軍警察やMİT地域本部、ディヤルバクル警察署が通報された情報に基づき、1時から大規模作戦を決行した」と述べた。
■トルコで押収された麻薬の36%はディヤルバクルで押収
ディヤルバクル県のトプラク知事は2013年1月から今日まで県全体で9822キロのクバル状(粉の形態の1つ)になっている麻薬、1380キロの粉末大麻が押収されたと明かした。トプラク知事は「この期間に64万3828本のインド大麻が押収されている。2012年全体では、ディヤルバクルで計5万3280キロの麻薬が治安部隊の作戦の際に押収された。トルコ全体で2012年に押収された麻薬の36%がディヤルバクルで押収された。トルコ全土で2012年に押収された麻薬の総量は14万6425キロで、ディヤルバクルで押収されたのは、5万3280キロである。トルコ全土で2012年に押収されたインド大麻も、その20% がディヤルバクルで押収されたと記録されている。トルコで押収されたインド大麻の数は、2292万5940株あり、このうち507万8633株がディヤルバクルで押収されたと記録されている」と語った。
■トプラク知事:「私たちが行っているのは対テロ作戦ではない。対麻薬作戦だ」
トルコで麻薬事件がどこにつながっているのかは知られていると明かしたトプラク知事は、「我々が今日行っている作戦は対テロ作戦ではなく、麻薬原料対策作戦である。この点で誤解されないよう作戦を開始する時刻に書面による発表を行い、これが麻薬作戦であると私は述べた。麻薬製造者たちは収入が失われることを懸念し、それらを様々な方面に横流しする可能である。この事件はこれが原因となって起きている。村人たちは作戦を支持していると言うことができる。作戦終了後、道を封鎖するために軍警察が借りて使用していた車のドライバーが恐れをなして、車を捨てており、その後その車が焼かれていることが確認された。ドライバーは恐れをなしてその場を離れたとの情報がある。ドライバーは事件現場を離れ、誰とも会おうとしなかった。車が焼かれている際にドライバーはその場を離れていた」と述べた。
■知事、ディヤルバクルにおける大規模な麻薬作戦の詳細を明かす
ディヤルバクルのムスタファ・トプラク知事は、ディヤルバクル県で深夜1時から続けられている麻薬作戦で3トン45キロの麻薬が押収され、畑で栽培されていた6万1000平方メートル分の麻薬も根絶やしにされたと明かした。作戦で9人が被疑者として確認されたと明かしたトプラク知事は、このうち3人が逮捕され、 6人は身柄確保に向け捜索中であると述べた。
ディヤルバクル県における麻薬畑で作られた麻薬が隠されている森林地帯に対して広域捜査が開始された。ディヤルバクル県のリジェ郡やコジャキョイ郡、ハズロ郡における5つの村で実施された作戦には、軍警察の機動部隊や警察の機動部隊、シルヴァン軍警察特殊連隊と臨時村落警備員から成る治安部隊が参加した。夜まで継続した作戦では、地面に埋められた3トンの麻薬が押収された。ディヤルバクル県のムスタファ・トプラク知事は作戦について詳細を記者たちに知らせた。知事は、作戦は“軍警察の殉職兵士アデム・オデミシュ”というコードネームで始められたと述べ、ディヤルバクル地方司令部指揮下での作戦で、軍警察機動チーム10チーム、警察機動チーム4チーム、軍警察特殊チーム、臨時村落警備チーム14チーム、混成チーム5チーム、麻薬捜査犬チーム4チームが導入されたと語った。さらに、リジェ、コジャキョイ、ハズロの各郡では森林地帯に麻薬が貯蔵され、広さ6万1千平方メートルの畑で麻薬が栽培されているとの情報に基づき、深夜1時に作戦が始まったと述べ、作戦ではコブラ型ヘリコプター2機、シコルスキー型ヘリコプター1機、無人探査機1機、ヘッジホッグ13機が支援を行ったと話した。
トプラク知事は、作戦の結果、3トン45キロの麻薬が押収されたと明かし、「合計2トン20キロのクバル状(粉の形態の1つ)になっている麻薬、1トン15キロの粉状の麻薬をはじめ、計3トン45キロの麻薬が押収された。6万1000平方メートルの畑で栽培されていた600株の大麻が農地で根絶やしにされた。また、歩兵用カラシニコフ銃1丁とその薬きょうと弾薬、9ミリ口径のピストルとその薬きょうと弾、テロリストが着用する服1着、リュック2つ、防弾チョッキ1着、靴1 足、靴下7足、14枚の組織文書、ラップトップPC1台、外付けハードディスク1つ、フラッシュメモリー3つ、ルーター1台、携帯電話1台、車のカギ1 つ、自動車免許証1枚が押収された。作戦では9人の身元が確認され、この内3人を逮捕し、他の6人の身柄を捜索中である」と付け加えた。
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( 翻訳者:齋藤洋輔 )
( 記事ID:30063 )