昨年1年間で3千人以上ものイラン人留学生が学業継続のためにイランに帰国
【社会部:アミール・ジャラールヴァンド】国を襲った外貨危機の余震は、いまだに続いているようだ。昨年、外国為替市場の変動が海外に住むイラン人留学生の生活にこれほどの影響を及ぼすと考えた人は、ごく少数だった。しかし外貨の価格上昇がもとで生じた金銭的な圧迫のために、祖国を離れた多くの学生が学業継続を諦めざるを得なくなるか、もしくは国内の大学への転学を強いられているのである。こうした流れはいまだに止む様子がなく、そればかりか科学技術省の当局者によれば、国内への帰国申請は依然として増加中であり、昨年1年間で3千人以上の学生が帰国したという。
国内の市場は1ドル=3500トマーン、1ユーロ=4600トマーンの状態を少しずつ受け入れるようになっているように見えるが、学生や高等教育制度はこの数字にいまだ対応できずにいる。
帰国せざるを得なかったイラン人学生たちとは別に、これまで海外での勉強をしぶとく続けてきたイラン市民らも、いまや前年の数倍もの出費に直面しながらの生活を余儀なくされている。そのため、今年も海外在留イラン人学生の帰国の激流は緩やかになるどころか、今後数ヵ月間続くものと見られる。
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科学技術省国内学生局のモハマド・ハサン・ユーソフィー局長は、ジャーメ・ジャム紙とのインタビューの中で、帰国する学生たちの最近の状況について、次のように述べている。
91年度後半〔=2012年9月22日〜2013年3月20日〕の通貨危機の深刻化に伴い、海外に留学する大学生らの大量帰国が見られた。われわれが取りまとめた最新の統計によれば、91年度前半〔2012年3月20日〜9月21日〕、255名の大学生が《転学審議会》に帰国申請を行った。しかし91年度後半には、この数字は605名にまで達した。
ユーソフィー氏が言及した「転学審議会」とは、科学技術省下の高等教育審議会の一つで、在外イラン人学生が〔イラン国内の大学に〕籍を得る手続きを支援する機関である。つまり、海外で勉強しているイラン人が国内での教育を希望した場合、その学生は希望するイラン国内の大学と書面でやりとりをすることになるのだが、大学との間で合意が得られず、大学側が学生を受け入れない場合、転学審議会が同学生の教育のために他の大学を選んで、斡旋する仕事を請け負うことになるのである。
ユーソフィー氏は続けて、「先ほどわれわれが言及した統計は、国内の大学との間で〔転学に関する〕合意を得られなかった学生に関するものだけである。しかし、自ら大学側との間で〔転学について〕合意を得ることに成功した学生の数も計算に入れると、帰国した学生数は先の数字の何倍にもなるだろう」と強調した。
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( 翻訳者:8410105 )
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