ボスフォラス第三橋、名前は「スルタン・セリム橋」に
2013年05月29日付 Radikal 紙


第三ボスフォラス大橋及び北マルマラ高速道路プロジェクトの着工式が開かれアブドゥッラー・ギュル大統領、ジェミル・チチェキ国民議会議長、レジェプ・タイイプ・エルドアン首領ほか数名の閣僚が参加した。

式典の演説でエルドアン首相は以下のように述べた。

「ご存知のように本日は5月29日だ。ファーティフ(征服王)・スルタン・メフメトによるイスタンブル征服が闇の時代を終わらせ、光明の時代を開いた 560周年記念日に我々はいる。そのため、今一度、イスタンブルを征服した、かの輝かしい皇帝と司令官たちについて謹んで言及したい。

死者の魂に幸あれ。征服王は言った、『技術とは都市を構築することである。臣民の心を永遠にすることである。』世界を震撼させたオスマン朝の皇帝であった征服王メフメトは真の技術とは都市構築であり市民の心を勝ち取るものであるということを言いたかった。

我々は過去から受け継ぐ霊感により歴史を刻み続ける。イスタンブルに建設される7つの建造物は、全世界で話題を呼ぶものとなる。もはやイスタンブル市内で大型車を見ることはないだろう。この橋梁は同時に環境保護対策となる特質を兼ね備える橋となる。今から、この計画が成功することを祈っている。

入札が行われた三つ目の空港も、世界で大きな話題を呼ぶであろう。テレビでは時々「こんなに木が伐採されている」と言われているが、実際にどこで行われているかについての報道はない。あたりを歩いてみてもまるで戦争が終わったばかりのようだ。建設予定の空港は五つの滑走路を備えた現代的なものとなる。イスタンブルには二つの空港では足りておらず、乗客らの苦情を聞いている。

新たな入札が更に行われる。イスタンブル運河の入札である。これについても今後も話題とされ続けるだろう。隊商路には必須のものなのだ。我々がやらなければならないことがある。黒海とマルマラ海をつなぐことにより重量級船舶の通航を可能とする。この点では人口をイスタンブルに集中させるのではなく、定住している人口をこのあたりへ分散させることを計画している。

御存知のとおり、マルマライ(ボスポラス海峡横断鉄道)は10月29日に開業する。少し南では二つのチューブ・トンネルが海峡を通っており、そこでも自動車が往来する。この種の投資は常識では受け入れられるだろうか、受け入れるならば当然今までに実現していただろう。

もうひとつ着手した点は、ヤスル島でも、 ヤッス島(ヤスル島のギリシャ語名)でもどうでもよい。メンデレス(元首相)はその島で死刑となった。判決もそこで下された。(メンデレスと一緒に死刑となった)他の二人の大臣も同様だ。今、我々はその島とその隣のシヴリ島を民主主義と自由の記念碑にしようとしている。

金角湾でも新たな入札を準備している。我々は噂話をしているのではない、仕事を生み出しているのだ。ゲズィ公園で何をしようと勝手だが、我々は既に決定を下した。あそこ(ゲズィ公園を含むタクスィム広場)で再び歴史を復活させる。木を植えたい者には場所を与える。

現在橋梁は想定交通量の2.5倍で使用されており、時間の浪費が生じている。我々は未来のトルコを建設しようとしている。世界の先例となるプロジェクトになるだろう。我々は偉大な国民だ。イスタンブルで実施する全てのプロジェクトがトルコの信用を上昇させる。世紀のプロジェクトであるマルマライは完成に近づ いている。10月29日には開通式を行う。

■建設期間についての交渉

大統領の許可が得られるならば、建設会社とほんの少し交渉をしたいと思っている。もちろん建設期間については取り決めをする必要がある。私は2014年5月29日と言っているのではない。しかし決意を持って臨めば、会社が決心すれば、2015年5月29日に間に合わせることができると信じている。

我々も物事が容易に進むように出来る限り支援をする。2年後の開通式で集まれることを希望しつつ、成功を祈っている。」

■橋の名はヤヴズ・スルタン・セリム

演壇でアブドゥッラー・ギュル大統領も次のとおり発言した。
「この幸福な日に、着工式に参加できたことに大きな喜びを感じる。ファーティフ・スルタン・メフメトに追悼の意を捧げる。この都市を我々に託された。イスタンブルは単に我々のものだけではなく、世界全体のかけがえのないものだ。この都市の責任を負うことは我々全員の幸せである。幸運にも、我が国は暗い時代を過去のものとした。我が国に誇りを感じ、称える。トルコの未来が光り輝いていることを敵味方関わらず知っている。二つの大陸がこれほど近いのであるから、両大陸間の行き来を考える必要がある。このために橋や海底トンネルを建設しているのだ。

第一大橋はムスタファ・ケマル・アタテュルクの名を、第二大橋はファーティフ・スルタン・メフメトの名を戴いている。三番目の橋の名はヤヴズ・スルタン・ セリム橋となる。政府の全ての関係者に感謝すると共に祝福する。この仕事を引き受けることは全ての勇者ができることではない。非常に特別なプロジェクトだ。橋梁建設を引き受けた方々へ感謝し、祝福する。」

■第三大橋の特色

第三大橋は10車線となり、車両用に8車線、電車用に2車線の内訳となる。通過手続きもこの橋で行われる。特に貨物を運送しているTIR車両(TIR条約による国際運送車両)やトラックは第三大橋を通過することになる。

橋は幅59メートルと世界でも最大級の橋となる(他の2つのボスフォラス橋は40メートル幅)。この橋はポイラズキョイとサルイェル、ガリプチェをつなぎ、長さは1875メートルである。

通行料としては、普通車両は3ドル、つまり約5.5リラを支払う。第一出口はヨーロッパ側ではウスクムルキョイで、アジア側ではリヴァとなる。建設費用は約25億ドルになると予想されている。

橋梁建設と共に橋につながる関連道路の建設も行われる。ヨーロッパ側ではエユプ・オダイェリ間、アジア側ではサンジャクテペ・パシャキョイ間の約60キロの長さの道路となる。

プロジェクト全体では9つの橋、19ヶ所のジャンクション、45ヶ所の歩行者用地下横断通路、63ヶ所の歩道橋が建設される。

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( 翻訳者:山口 南 )
( 記事ID:30136 )