世界が報じたゲズィ公園騒乱―過剰な警備対応に批判集中
2013年05月31日付 Milliyet 紙

タクスィム・ゲズィ公園で始まった抗議活動は世界中のメディアで報道されている。

イギリスで最も読まれている新聞の一つであるガーディアン紙は、「イスタンブルでの抗議活動、『トルコの春』の種をまく」と見出しを打ち、当初小規模だったデモ活動が、大規模な反政府運動に形を変えたと報じた。同紙のリチャード・セイモア記者は、イスタンブルの小さな公園の撤去に対する抗議活動が、いまや体制にとって緊急事態となっており、これをきっかけにトルコの春が始まる可能性もあるとしている。
BBC(英国放送協会)は、タクスィム広場でのデモ行進4日目に起きた事件で、警察が使用した催涙ガスと放水によって12人が負傷したと報じた。そして純粋な環境保護活動が反政府運動に変わり、警官隊がデモに介入したことが、アムネスティ・インターナショナルとアメリカから非難を受けたことも明らかにした。

イギリスの最も権威ある新聞の一つ、フィナンシャル・タイムズ紙は、タニエル・ドンビー論説委員の「トルコの警官隊、デモ参加者に催涙ガス」という記事で、政府が75年という歴史ある公園をショッピングセンター建設地にしようとし、これに反対した人々がデモ行進を行ったと報じた。同紙は、野党の政治家や野次馬たちのタクスィムでの抗議活動は、次第に増す政府の抑圧的な態度が生んだものであり、政府が少し前にアルコール消費を禁じたことに、世俗主義者からの強い反発があったことも紹介している。

アメリカのワシントン・ポスト紙は、市の中心部にある公園の存続を訴えて始まった抗議活動が、日ごとに増していく政府への抗議活動に変化したと報じている。イスタンブルで始まった反政府抗議活動と同様の事態が、他の都市でも起こり始めており、警官隊が催涙ガスや放水を使い、広場に集まった何千ものデモ参加者を蹴散らせているという。

ニューヨーク・タイムズ紙は、警官隊がデモに介入したことによって、事件はより拡大したと報じる。エジプトの首都カイロのタフリール広場に例えられるタクスィム広場に、政府はオスマン帝国時代の兵舎建設を予定していたという。同紙は、エルドアン首相はトルコの信仰心の篤い層からは高い支持を得ているものの、世俗的な層は政府について野党的見解に非寛容だと考えており、新聞記者らの逮捕を批判していると報じた。


(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:鈴木直子 )
( 記事ID:30162 )