ゲズィ公園抗議でソーシャルメディアに流れた17の嘘
2013年06月02日付 Milliyet 紙
ファーティフ・チピルという名のユーザーが、ゲズィ公園事件でソーシャルメディアに扇動目的で流された17のデマを、個人ブログに記した。
ゲズィ公園の抗議運動は、ソーシャルメディアで始まった。抵抗運動のメディアとなったツイッターでは、抵抗運動に影を落とす多くの情報汚染も起こった。
ファーティフ・チピルというユーザーは、自分の個人ブログでこの情報汚染を解析し、ソーシャルメディアに出回っていた17のデマを明らかにした。
ファーティフ・チピルの個人ブログに集められた偽情報は以下の通り。
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ご存知のように、ゲズィ公園事件によってこの2日間国内は混乱している。警察が過剰な武力を使ったことは、敵意を爆発させ事件を燃え上がらせた。当初はゲズィ公園のためであった抗議運動は、自然保護の目的を離れ、「革命目的」に寄与し始めた。工作者には好機が巡ってきた。ゲズィ公園における数千人の無辜の抗議者たちの中には、彼らから送り込まれた同じくらいの人数の工作者が含まれている。
私は、工作者が昨日ソーシャルメディア上に発した偽情報ゆえにこの文章を書いている。あなたがこれらを受け取って拡散すれば、人々は情報を得ることができる。抗議者たる同朋からも、政府支持者たる同朋からも、必要なイニシアチブが示されることを、私は期待している。願わくは、早いうちに警察が撤退し、平穏が戻らんことを。
さて、昨日ソーシャルメディアに現れた、実際とはことなる、17の嘘の情報は次のようなものだ。
1)ビュレント・アルンチ副首相の息子はゲズィ公園に開店するショッピングモールの共同出資者である:この中傷が出された後、説明が行われた。これは事実ではなかった。
2)装甲車に轢かれた若者の写真:最も反発を招いた写真のうちの1枚。実は、外国でボートのモーターによって負傷した人物だった。
3)ソーシャルメディアへのアクセス妨害:これは今日出されたデマだが、結果としてごくわずかなフェイスブックやツイッターの障害でさえ皆が憤慨したのである。トルコはまだそれほど落ちなかったので、心配する必要はない。わずかな通信の遅れがあったに過ぎないことを記しておく。さらに、タクスィムで3G接続が切断されたことは事実だ。
4)数千人の警察が辞職した:数が誇張されている。実際は多くても3人から5人だ。
5)イスタンブル警察局長が更迭された:ntv_sondakika(NTV最新ニュース)として開設された偽アカウントのでっち上げだった。
6)警察が実弾を使用した:このような状況があれば、虐殺と呼ばれるので不可能だ。しかしゴム弾を使用したことは事実である。
7)映像に映っていたケレム・ジャン・カラカシュの死亡:映像に映っていた勇敢な活動家は生きている。名前はケレム・ジャン・カラカシュではない。ケレム・ジャンは以前交通事故で亡くなった人物で、記録を見ることもできる。
8)犬に催涙ガスを噴射する警察:この写真は以前からあったが、最近多く共有された。写真に写っているのはイタリア警察で、工作者によって写真加工がなされた。
9)(ベシクタシュの応援団である)チャルシュ・グループが装甲車(TOMA)を入手:報道によるとチャルシュ・グループがTOMAを入手し、警察を追いかけたという。これも偽情報の1つだった。
10)警察が薬の入った水でデモ隊を気絶させた:これは本当に笑ってしまうような情報だが、1万人以上に共有された。
11)情報番組の偽アカウント:多くの情報番組の偽アカウントが開設された。刺激的な言説が瞬時に拡散された。フォロワーは300人にも満たないのにリツイート数は1万に達した。
12)運動があと48時間続けば、憲法裁判所は政府を解散させることができる:いかなる国においても、このような法律は不可能である。運動をより長期化させるためにでっち上げられた。
13)運動で枯葉剤が使用された:枯葉剤は国連によって禁止されており、大きな被害をもたらす化学兵器である。社会への介入のためにこのようなガスを使うことは自殺行為であり、ありえない。CNNによって検証されたと言う人々もいた。iReportとしてCNNのサイトで公開されたが、iReportは一般人によって書かれている。
CNN PRODUCER NOTEを読むことをおすすめする。ベシクタシュで使用された、催涙ガスとは別物に見えるオレンジのガスは、弱められた催涙ガスである。
14)(トーク番組)ベヤズ・ショウ:ベヤズは運動に行ったため、局に契約を破棄され、完全に放送を取り消された。(実際には)ベヤズ・ショウは、今週の放送のみキャンセルされた。国民が血を流している一方で番組を放送することは考えられなかったのだ。
15)運動参加者が橋を通過する写真の代わりに、2012年のマラソンの写真が共有された。
16)CNNインターナショナルが、CNNチュルクが無関心な態度をとって抗議運動を報道しなかったため、名前の使用権を無効化した:公的な場所では一切このような発表はされていない。CNNチュルクで働く知人も、このようなことはないと言っていた。
17)運動参加者らはスカーフをまとった女性たちを攻撃した:これも広められた情報の1つだった。しかし、工作者らは、双方を混乱させようとしている。彼らは政府支持者たちの中にも混じっている。さらには、抗議者たちの間には、過小評価できないくらいの数のスカーフをつけた人々がいたが、今日まったく問題は起こらなかった。
補足:私は、この件について政治的な側面からは関心を持っていない。私が関心のあるのはソーシャルメディアに関してだ。このため、私がどちらかの側を支持していると考えないで頂きたい。ここで述べたのは事実のみだ。みなさんがコメントを書いて批判を伝えることもできる。
【お礼:タイトルに誤記がありました。ご指摘いただきました読者の方、ありがとうございました。】
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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:30181 )