ゲズィ公園は今日もお祭り
2013年06月07日付 Milliyet 紙


ゲズィ公園での団結の精神は日に日に高まっている。飲み物や食べ物の心配は無用だ。高校生が登校前に公園を訪れ、持参した朝食を人々に配っている。昼食時には働く女性たちが手作りのイチリ・キョフテを振る舞い、公園の活動を支えている。

デモ10日目になっても、ゲズィ公園は共感と団結の雰囲気に満ち溢れている。昨日の朝がた、公園を訪れた人々を出迎えたのはメジディエキョイ・アナドル高校の生徒たちだった。一人はゆで卵の入った段ボール一箱を抱え、別の生徒はジャムが塗られたパンを一箱持っていた。公園に来てまず掃除をしたあと朝食を配ったと説明する生徒たちは、「抵抗している。でもここに来るために家で親にも抵抗している」と話した。

■「ならず者カフェ」にお任せ

公園では飲み物や食べ物の心配は無用だ。至るところで、飲み物や食べ物をただで配る誰かに出会える。働いている人もそうでない人も、何らかの形で公園の デモを支援しようと腕まくりしているようだ。「ならず者カフェ」で有志として働くギュルシェン・ヤームルデレリさんとハンデ・ムトゥルオルさんは、朝、子どもたちを学校へ送ってから公園に来たという。他にも、ゼキ・ベクタシュさんはベヤズトにある靴店を閉めて公園にやってきた。人々が入れ替わり立ち代わり訪れては「何が必要か」と尋ね、短時間で保存食を車などで調達してくると話すベクタシュさんは、「人から人へ物が渡っていくのです」と言う。
誰かがメガフォンで「カフェを手伝ってくれる人はいませんか」とアナウンスすると、あっという間に5人の有志が集まった。別の場所では、数人の女性がイチリ・キョフテを振舞っていた。エルマダーで宣伝関係の会社で働いているという彼女たちは、デモを支援するため、職場で作ったイチリ・キョフテを持って4 日間昼休みを公園で過ごしているという。

■いかなる状況にも対策あり

団結は食料だけで成り立っているのではない。空模様が怪しくなればレインコートが、気温が下がれば上掛けがすぐに手渡されていく。コンクリートの上に座っている人は、立ち去る際、地面に敷いたシートなどを次の人のために残しておく。のど飴を配る人にすら会うことができる。
公園にはデモのためのアトリエもある。パレスチナ人の活動家ミナ・ヴォゲルサングさんが、集まった大勢の人たちに衝突や攻撃の際にどのような対応をとればいいか、自分や周りの人を守る術を説いていた。

■デモ事務局の番号は155番※

どこもテントで埋め尽くされた公園で、もっとも目立つのは「デモ事務局」のある区画だ。ここで寝泊りしている人の中には、イスタンブルからだけでなくア ンカラやイズミルからやって来た人もいる。無秩序にテントが乱立しないよう区画を整備することにし、テント村の管理人を買って出ている。すべてのテントの 入口は、彼らが整備した中庭に面している。日中はこの中庭で人々が雑談をし、コミュニケーションを図っている。また、国際環境NGO「グリーンピース」のスタンドでは、興味深いテクノロジーが使われている。スペイン支部から送られた太陽光コンロで、お茶を沸かし、ブルグル・ピラブが作られているのだ。太陽光オー ブンを使ってケーキも焼いている。グループは公園の役に立てるよう、いつも晴天を祈っている。また、展示を行っているコンテナもある。警察の武力介入のあと、周辺から集められた盾やひざ当て、警察車両のハンドルや重機の部品などが並べられている。活動家らが撮影した写真も展示されている。

■動物たちにも支援

公園に設置された医務室の傍ら、動物のための診療テントもある。イスタンブル大学獣医学部の学生たちによって設置されたテントで、怪我や病気になった動物の治療が行われている。昨日の新しい出来事といえば、子どものための「ゲズィこどもアトリエ」テントができたことだ。俳優のデメット・エヴガル氏が設置したテントで、子どもたちに絵画のレッスンをする3人のボランティアの一人であるバハル・ウヤンドゥランさんは、最初の生徒が生後6日の赤ん坊であったことを明かし、「私たちの目的は、この公園に子どもがいることをアピールすることだ」と話した。

※警察に通報する電話番号(日本の110番)


(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:30257 )