アメリカ、イランの石油化学企業8社を制裁:イラン側の反応
2013年06月02日付 Jam-e Jam 紙
アメリカは自身のイランに対する敵対的政策の一環として、昨日からイランの石油化学企業8社に対する制裁を実施した。その一方で、イラン政府当局はこの措置について、「はったり」であり、石油化学産業に何の影響ももたらさないとの見方を示している。
本紙記者の取材によると、アメリカは先週木曜日、携帯電話やコンピューター(ハードウェアおよびソフトウェア)分野での対イラン禁輸措置を一部解除した。しかしそれからたったの2日で、イラン石油化学企業数社に制裁を科すという、矛盾した行動に出た。
このことについて、アメリカ財務省は声明の中で、「バンダル・エマーム石油化学」「ブー・アリー・スィーナー石油化学」「モビーン石油化学」「ヌーリー石油化学」「パールス石油化学」「殉教者トンドグーヤーン石油化学」「シャーザンド石油化学」および「タブリーズ石油化学」からなるイラン石油化学企業8社が、アメリカによる一方的制裁の対象となったことを発表した。
こうした中、アメリカ国務省はイランの石油化学企業から製品を購入したことを理由に、2社に制裁を科した。米国務省のジェン・サキ(Jen Psaki)報道官は、「これら2社は、ジャム石油化学とニークスィーマー食料飲料社である」と述べ、さらに「今回の措置は、イラン核計画にとって二番目に大きな収入源である、イランの石油化学部門に流れる資金を断ち切ることへの、アメリカの強い意志を示すものである」と主張した。
■ イランの反応
他方、イランの民間・政府部門は昨日、今回の制裁に反応を示し、非現実的なはったりにすぎず、石油化学製品の輸出から国が得る収入に何ら影響しないとした。その理由として、イランの石油化学が自らのマーケットとしているのは、基本的に世界の5大陸65ヵ国に広がっており、この輸出を禁ずることはできないこと、また制裁の対象となったこれら8社の製造する石油化学製品は、その多くが国内産業向けの原材料として使われるものであり、輸出向けではないこと、などが挙げられている。
■ イランの石油化学にとって輸出市場は多様
これに関連し、国営石油化学公社の代表取締役は、制裁が続いているにもかかわらず、イランの石油化学製品のヨーロッパへの輸出は止まっておらず、今回の制裁もイランの石油化学製品の輸出に何ら影響は与えないだろうと表明した。
アブドルホセイン・バヤート氏はメフル通信とのインタビューの中で、アメリカ財務省による不法な制裁に反応を示す中で、「石油化学産業はここ数年、国際的な制裁に直面し、ここ2年間は制裁がさらに厳しくなっているが、それにもかかわらず、イランの石油化学製品やポリエチレン製品の輸出は止まっていない」と述べている。
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(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:30421 )