トルコ投資家関係協会(TÜYİD)は、ゲズィ公園での騒乱の影響で投資環境に不安が出てきているとし、今回の事件の経済的影響を協議した。
協議後、TÜYİDのアリ・ムラト・エルソイ会長が会見を行い、18日間続くタクスィム・ゲズィ公園でのデモ騒乱が、現時点で何十万人もの労働者を失業に追い込むだろうと述べた。イスタンブルで近々開催予定だった国際会議等のイベントは、一部キャンセル、あるいは延期の要求を受けており、リゾート地の現在の予約状況については、今のところキャンセルはみられないが、次シーズン以降の予約が減衰傾向にあるとし、次のように語った。
「トルコに旅行・イベントの予約をしてもらえるよう、状況が良くなることを期待しています。目下、旅行の予約がほかの国々に流れているということはありませんが、しばらくすればこの需要は、ライバル各国に取られるようになるでしょう。最悪の場合、ツアー開催者がこれ以上のリスクがないよう行き先を別の国に変更することになります。こうなってしまったら、状況が平常に戻ったとしても、旅客や観光者をトルコへ引き寄せるチャンスはありません。」
また、「この状況が続くようであれば、そのツケは経済的損失と失業という形でトルコ国民が支払うことになるだろう。」として、観光業への見解を次のように述べた。
「何が起こっているか、世界中のメディアで度々報道されているということは、トルコ中が安全な環境ではないというイメージを与えてしまい、外国人観光者が日に日に減少していく原因になります。現状としては、シーズン初頭だったこともあり、まだ打撃的な予約キャンセルには至っていません。しかし、迅速に対応を講じることができなかったり、平常に戻らない場合には、既にいただいている予約がキャンセルされたり、別の国々に変更されてしまうだろうと予測しています。」
同会長は、観光業は52もの分野を養っていると強調し、つぎのように続けた。
「損失を被るのはホテル業だけではありません。観光業衰退の結果、レストランオーナーからタクシー運転手、絨毯関連職種、そして農業従事者に至るまで観光業で収入を得ている人の全てが割を食うことなります。
52の分野に従事する何百万人もの労働者が影響を受け、そのうち何十万かはおそらく失業するでしょう。
輸出収入額首位である観光業において、先行き不透明な状況が続けば、ドミノ倒しの連鎖が経済不安を引き起こし、国民にとっては、当人あるいは知人の1~2人が失業状態になります。為替も乱高下しコントロールできず、職場の多くが閉鎖される原因になりかねません。
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:30456 )