イラン商工会議所幹部が経済状況を強く批判「失業率、越えてはならない一線に」
2013年06月10日付 Mardomsalari 紙
イラン・中国商工会議所の会頭であり、
イラン商工会議所輸出拡大委員会の委員長も務めるアスギャル=オウラーディー氏は、「現在の失業率は越えてはならない一線に差し掛かっており、次期大統領はこの問題を真剣に考えるべきである」と述べた。
メフル通信によると、アサドッラー・アスギャル=オウラーディー氏は各部門ごとの国の経済の現況について検討しつつ、第11期大統領に名乗りをあげた立候補者らの掲げる政策や、彼らが国民に示している公約について分析した上で、それとの関連で「我が国は特殊な経済状況の中にあるということは、今や周知の事実であり、この特殊な状況を克服するには大統領のみの力では不可能である。その克服には、強力で協調的、かつ専門的なチームが必要である」と述べた。
同氏は他国、特に近隣諸国との関係の現状について厳しく批判し、
第11期政府では、外交の分野で大きな変化を起こすことが必要である。我々はオマーン、アラブ首長国連邦、カタール、バハレーン、サウジアラビア、クウェート、イラク、トルコ、アゼルバイジャン、ロシア、トルクメニスタン、アフガニスタン、パキスタンなどの近隣諸国としっかりとした関係を持つことが、今必要なのである。というのも、こうした国々との関係のパイプは、今やひどく傷ついてしまい、例えば、〔イラン南部ペルシア湾岸の港湾都市である〕バンダルアッバースに寄港する船舶はますます少なくなっており、事実上、われわれは多くの近隣諸国を我が国から遠ざけてしまっているからだ。これは、次期大統領が外交の分野で根本的対策を講じる必要性を示しているのである。
と指摘した。
国民の最大の関心は雇用
テヘラン商工会議所代表者委員会の委員でもあるアスギャル=オウラーディー氏はまた、国民や経済関係者が今もっとも関心を寄せている問題として、雇用問題があると指摘した上で、「失業率は今や、越えてはならない一線に差し掛かっており、次期大統領はこの問題を真剣に考えなければならない」と言明した。
同氏はこのことについて、大統領選に立候補した各候補者らに対し、現実的な公約を国民に示すよう呼びかけ、「現状では、最大で1年間に50万の雇用を作り出すことが可能だ」と明言した。
同氏はさらに、「二つ目の大きな課題はインフレ問題である。今や消費者にとって物価は急騰しており、国民は自らの購買力を失っている。イランの次期大統領は、インフレ抑制のためにどんな施策を用意しているのかをしっかりと述べるべきだ」と続けた。
同氏は「外貨への依存を減らすこと」、「通貨供給量を減らすこと」、そして「利率の低くすること」がインフレ抑制のための重要な手段であり、こうした手段を用意しなければ、インフレ抑制は口先だけの約束にとどまるということを、次期大統領は認識しなければならないとの見方を示した。
同氏は、経済についての立候補者らの公約は現実的である必要があると強調したうえで、「候補者の中には、数ヵ月以内に30パーセントに及ぶインフレを抑え込むことができるなどと主張している者もいるが、しかしながらすべての条件が整い、すべてが理想的な状態にあったとしても、インフレ率は月に1パーセント減少できる程度である」と述べた。
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( 翻訳者:8411062 )
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