警官隊も、くったくた―20日間400時間勤務、残業手当なし
2013年06月19日付 Milliyet 紙
過剰な暴力を使ったとして非難の対象となっている警官たちだが、彼らは20日間に400時間、働かされた。通常、国家公務員の月間勤務時間は160時間だ。警官には残業手当はなく、残業中にたべる食糧費は自腹だ。
警察官組合のファルク・セズル組合長は、警官の労働状況を次のように話す。
「警官は、一般的には、12時間労働のあと24時間休む、という形で働いている。一般的な国家公務員の月間勤務時間は160時間だが、警官はふつう240時間働いている。集会、デモ、サッカーの試合、大学入試、フェスティバルのような特別なときには、13時間働いたのち、朝8時に帰宅しても、午後には呼び出される。ゲズィ公園抗議のときには、少ない場合でも、280時間から300時間の勤務だった。事件の最中には、機動隊員は平均400時間働いた。
「精神状態が悪化している。休むをとらせてくれ」と(当局に)要望した。疲れ、いらだち、緊張し、ふつうの考えができなくなっている。職場教育もしているが、無理がある。たとえば、夜勤明けの警官が、そのまま教育に送られている。「寝むりたい、仕事を終えたばかりだ」といっても、「職場教育にいくんだ」と無理強いされる。その内容も、中身の~歩の、しょうもないものだ。
■残業手当なし
警官の給与には、「追加勤務代」として200リラの定額の支給がある。しかしこれは、実際に残業をしないものにも払われている。20日間に400時間働いたとしても、特別な支給はない。報奨金はあるが、1か月の報奨金はたった34リラだ。
10か月、毎月報奨金をもらっても340リラにしかならない。事件の最中には、明け方、警官らに電話で「帰宅してもよい。ただし、朝8時には集合せよ」との指令がだされた。しかし、バスも電車も動いていない。この警官らにバスもだされなかった。一部の警官は、タクシーで家に帰り、600リラ、700リラもつかったそうだ。
警官の給与からは、共通費がさっぴかれる。この共通費は、勤務についているもののために使われる。乾パンとか食事費などの。国に金を支払って、その分を受け取れない国家公務員は警官だけだ。」(中略)
■援軍が到着
タクスィム・ゲズィ公園運動(への警備)のために、イスタンブル以外から派遣された警官の数は2200人にのぼった。事件の当初、周辺の返から1000人の機動隊が派遣されたが、第二陣として、ディヤルバクル、シュルナク、シールト、コジャエリ、ブルサ、マルマラ地方から1200人がさらに派遣された。
■ジハンギルで迷子に
機動隊が(タクスィムに近い)ジハンギル地区でデモ隊の捜索をしている様子が市民により撮影され、ソーシャルメディアにアップされた。その映像では、相当数の警官のグループが疲れた様子でジハンギルの通りを歩いている際に、うち1人が「おい、同じ場所を通ってないか?さっきもここを通ったんじゃないか?」と言うのが映っている。他の警官らの「そうだ、そうだ」という声にかぶさるように、撮影した女性の声が入っている。「あらあ、かわいそう、道にまよったんだわ。」
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:和泉由美子 )
( 記事ID:30493 )