工業資本、金貨・外国為替市場に逃避
2013年06月10日付 Mardomsalari 紙

 「生産保護調査員会」の委員を務めるハーレギー氏は、工場の操業に関わる許可証の昨年の発行件数が減少したことは、国の工業成長が伸び悩んでいることの証左だと指摘した上で、「現在、金貨や外貨、及び住宅といった〔投機的な〕領域への投資の方が、生産部門への投資よりも魅力的になっている」と述べた。

 アールマーン・ハーレギー氏はイラン学生通信とのインタビューの中で、「昨年の国の工業成長率の目標値は8%だった。しかし、鉱工業商業省による工場の設立・操業許可証の発行件数が減ったところを見ると、この成長率は達成できなかったようだ」と語った。

 同氏は、工場の設立・操業許可証の発行件数が昨年減ったことにはさまざまな理由が考えられると指摘した上で、「1390年及び1391年〔西暦2011/12及び2012/13年〕の二年間に、生産・工業部門は多くの問題に直面した。補助金改革や物価上昇に始まり、〔生産部門への金融機関からの〕資金提供の不足や外貨の高騰に至る、様々な問題が生産活動にマイナスの影響を与えたのである」と述べた。

 同氏は、「工場の設立許可を得るには、申請者は最初に資金を確保する必要がある。〔金融機関などを通じて〕この資金が確保できないと、生産部門に参入する魅力も失われてしまうのである」と指摘した。

〔‥‥〕

 ハーレギー氏は「生産部門はすでに自らの魅力を失ってしまった」と指摘した上で、「ビジネス環境の安全性が著しく低下している。こうした状況では、資本家は安心して自らの〔企業〕活動を継続することができない。こうした状況で、資本は当然のように、生産・工業部門から流出し、金貨や外貨、住宅、貿易などの領域に向かったのである」と付け加えた。

 イラン学生通信によると、鉱工業商業省が発表した最新の統計では、昨年、設立を目前に控えた工場や、工場の拡張計画に対して出された設立許可証の発行件数が、1390年〔2011/12年〕に比べて減少し、また操業許可証の発行件数についても激減したことが示されたという。昨年の設立許可証の発行件数は約1万5千件、操業許可証は4千件だった。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:30552 )